２・後輩からのお願い ページ2
『先輩！！
一生のお願いです！』
それは今から二週間ほど前の
年末、仕事納めのその日
帰って一人
家で鍋でもしようか、なんて
考えていた私に、降りかかった声
はて、この子の
一生のお願いは何度あるのかしら？
そんなツッコミを心の奥に留め
A「・・ここ？」
職場の後輩・ジニに半ば強引に
連れられ、訪れたのは
壁の至る所に蔦の葉が張り巡った
とてつもなく怪しい外観の建物
ジニ「当たるって、聞いたんです
でも、一人じゃ怖くて・・」
ジニ曰く、最近評判の占い師が
ここで店を出しているというのだ
看板一つ出てないし
外観だけで判断すれば
占い師より、魔女が出てきそうな勢いだ
重々しい鉄のドアを
ギギギィーっと音をさせて開けると
薄暗い室内の中央に
ほんのりと白い光が灯っている
『そのまま真っ直ぐ
お進みください』
抑揚のない
淡々とした声が、私たちを
白い光の方へと導く
私はその声に従い
一歩踏み出すと
私の腕をガッチリ掴む、隣のジニから
ゴクリと生唾を呑む音が聞こえた
そろり、そろりと
白い光の方へ近づいて
薄いカーテンを手で避け、くぐると
『ようこそ、占いの館
【翡翠(ヒスイ)】の元に起こし下さいました
どうぞ、お座り下さい』
口元を黒い布で隠し
頭からも布を被った、目の前の
翡翠という占い師
唯一隠れていない
目元は大きく、綺麗な瞳で
何とも隠し切れてない
オーラのようなものが漂っているように感じる
ジニ「・・占って
頂けるんですか？」
恐る、恐る尋ねたジニに
クスリと笑いながら
翡翠「そのおつもりで
いらしたのでしょう？
どちらから、させていただきましょうか？」
すると、すかさず
私の腕をグイッと押して
ジニ「先輩から！」
・・おい！
私は何回目かの『一生のお願い』で
付き添いで来た身なのに？！
「はぁ・・分かったよ
じゃあ、私からお願いします」
そこから、また目の前の占い師は
淡々と、私の名前やら生年月日を尋ね
定番の占い通りと言おうか
私の手のひらをじっくりと見だした
翡翠「次は、水晶で
あなたの未来を占わせて頂きます」
言われた通りに
手を占い師と私たちの間に置かれた
水晶に手をかざすと
翡翠「・・見えました
では、占いの結果をお話させていただきます
しかしながら、この占いの結果を
信じるか信じないかは、あなたのお心次第
・・よろしいですか？」
有無も言わせぬ
目力が私を捉え
ゴクリッと生唾を呑む音が
またしても、ジニから聞こえた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3101人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
PinkAster(プロフ) - ゆうさん» ありがとうございます！先は長いですよ〜(笑)目が痛くならない程度に続きを楽しんで下さいませ〜（≧∇≦） (2016年8月19日 19時) (
レス) id: 1073f269c4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 笑えます。もう、布団の中で笑いをこらえながら、もう止めようもう止めようと思いつつ、止りませーん。続きに行ってきます (2016年8月19日 1時) (レス) id: 4e34045293 (このIDを非表示/違反報告)
PinkAster(プロフ) - ナンナンさん» わぁ、ありがとうございます！よく布団の中、と夜中に皆さん読んで頂いてるみたいです(笑)はい、マイペースに更新楽しみます（≧∇≦） (2016年4月24日 12時) (レス) id: 5bf935a778 (このIDを非表示/違反報告)
ナンナン(プロフ) - 久々に夜中に布団の中で声に出して笑いました♪めちゃめちゃ面白かったです♪これからも楽しみに読ませていただきますね。ありがとーございます♪ (2016年4月24日 1時) (レス) id: 69b8ee1cd1 (このIDを非表示/違反報告)
PinkAster(プロフ) - R.Nさん» ありがとうございます！深夜に、馬鹿げた話過ぎますよね(笑)至って真っ直ぐなチャニョルくんを今後もお見守り下さい^ ^ (2016年3月27日 17時) (レス) id: 5bf935a778 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：PinkAster
| 作成日時：2016年2月29日 22時
