不良少年(?)、テヒョンくん。

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『Aさん今なんて』





「離さないでよ......ヌナって呼んでよ....」





少し驚いた顔をしながら私の前に座った。









『いいんですか?』






「やっぱりやだ....取り消し」







『もう遅いです』






ふふっと優しく笑って再び私を優しく抱きしめる。









「......苦しい」






『ヌナ』





「取り消しって言ったでしょ」








『ヌナ』







「....なに」






『俺のことキライ？』








さっきは気付かなかったけど、こんなに体大きいんだ。



ヒョロッとしてるようだけど筋肉もちゃんとついてるし。







「キライ、大っ嫌い」






『.....やっぱりそうなんですね』








分かり易く声のトーンが変わる。




気付かないのかな、私の本当の気持ち。




鈍感な所がまた可愛いんだけど。









「でも、危なっかしいから側にいてあげる」







『えっ』








「友達からだけ『ヌナ、ほんとに！？』









.....人の話全く聞かないからな〜この子







「ん、ほんとに。」









遊びでもいい、いつか捨てられてもいい。





今はこの人と一緒にいたい、心からそう思った。








「でも、約束して？」







『うん？』







「もうこれ以上怪我を作らないで」





『.....わかった』






「どれだけ心配したと思ってんの」





『....』





「挙げ句の果てに、あんた私に帰れって言ったんだからね！？」





『....ごめん』





「ぶん殴ってやろうかと思ったわ」







『こんな姿ヌナに見て欲しくなかった』






「....あのまま死なれたらこっちが迷惑だってば」






『え？なんて？』






「いや、なんでもない」





暫くして私は家に帰ることにした。




帰る準備をして、ドアノブに手をかけた時だった。






『泊まっていけばいいのに』






ボソッと言った金髪の言葉を聞き逃さなかった。







「ば、ばっかじゃないの？調子に乗らないで！！！」






『あ、聞こえてました？』






「最低」





『え、いや、違う違う！もう夜遅いし寒いから....』








必死に言い訳する金髪を見てたら笑えてきた








「あははっ、必死すぎ...ㅋㅋ」





『だって....』






「...じゃあね、またお店で待ってるから来てね」







『また行きますね。ヌナ、おやすみなさい』






「おやすみ、テヒョナ」







そう言って私は家を出た。







....初めて名前呼んじゃった

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