生まれ変わっても、僕は君と。 -JM- (ページ8)

今日:1 hit、昨日:4 hit、合計:19,762 hit

-8- 最愛の人ページ8

.

ザーッ.....

ホテルを出ると、外は大雨だった。

傘を持ってない僕は、ただがむしゃらにAの家へと向かった。

暫く走り、Aの家の前で足を止めた。

家の電気が付いてない...

確かにここにAが居るはずなのに。

ピンポーン♪

Aの家のベルを鳴らす。

「っ、A、、、？僕、ジミンだけど、、、居る？」

何度呼んでも家の中から返答がない。

ドンドンドンッ

玄関のドアを思いっきり叩く。

「A!居たら返事して、、、っ」

辺りに響くのは、雨が地面に当たる音だけ。

玄関のドアノブに手をかけた。

ガチャッ。

「開いてる....」

一歩、家の中へと足を踏み入れた。

「うっ...なんだこの匂い、、、」

突如、鼻を刺すような激しい痛みが僕を襲う。

手で口をおさえながら、家の中を歩く。

「ケホッ...A...?居る、、の？」

リビングへ入った時だった。

台所で誰かが倒れて居るのが見えた。

まさか。

「A....?」

そこへ急いで駆け寄る。

すると、

そこには変わり果てたAの姿があった。

「っ、A!!!!!!!」

顔が青ざめて、ぐたっとしたA。

僕は急いでAを抱きかかえた。

その横には、強烈な匂いを放つ見覚えのある小さな瓶があった。

『....っ、ジミナ........? 』

ゆっくりと目を開けて僕の名前を呼ぶA。

「A....?ねぇ、どうしたの.....なんで....? アイツにやられたの？」

『.....っ、ゲホッ.....違う...』

「っ、じゃあなんで...!」

『私が自分で、、飲ん、、、、だの』

「嘘だ、、、やだよ、ねぇA...A!!!」

『ジミナ...ごめんね？』

ゆっくりとAが僕の頬に冷たくなった手を当てる。

「なんで、なんで謝るの？もう喋らないで.....苦しいでしょ....?」

『っ、ジミナ、あいしてる....ずっと......』

それだけ言ってAはゆっくりと目を閉じた。

僕の頬に当てていたAの手も床へと落ちる。

「......A? 目覚ましてよ、ねぇ、頼むから！！」

いくら呼んだって、いくら体を揺すったって僕の愛おしい人は動かない。

「っ、なん、、、、で、、、、、、」

あんなに綺麗で艶っぽかったAの唇も青紫色になって、僕を見つめて笑ってくれたあの瞳も、もう...

僕がAを殺してしまったんだ。