イ ン ス タ グク ラ ム

31. 貴方のせいではないけれど ページ31

ナユ side








私には、彼氏がいた

1つ上の先輩でかっこよくてみんなの憧れで、いつも私の事をちゃんと見てくれる自慢の彼氏



私には、とっても仲の良い友達もいた

毒舌で男前だけど、実は怖がりで乙女で、そんな所がすっごく可愛い私の1番の親友









_________






だけど2人ともあなたの方へ行ってしまった





A、だから私はあなたが嫌い






___________




......




最初に失ったのは、親友のサナだった





「あのね、今日もまたAがね...笑」

「あ、そういえばこの前Aがね！」


サナはいつからか同じクラスのAって子の事しか話さなくなった。サナが誰かの事ばかり話すのは初めてで、何だか悔しかった





だからこそ、その子の事が気に食わなくて
不安と嫉妬と怒りがごちゃごちゃになって




ナユ「サナ最近その子の話ばっかり！ほんとむかつく！何なの！？私が親友なのに」

ナユ「裏切り者」






...つい勢いに任せて強い口調で言ってしまった
1番近くにいる私を見て欲しかっただけなのに



些細な喧嘩だったかもしれない。けどあなたはそれから私から誘わないと会ってくれなくなったよね

仲直りして、前みたいに話してくれる。けど、あの日の溝が埋まることはなかった





____________



次に失ったのが、彼氏だった

私がサナとぶつかった時も、ずっと一緒にいてくれて、私を笑わせてくれて、心の支えだった




だけどある日、私は聞いてしまった




「だからやめろって！」




階段の上から聞こえる大好きな先輩の声

あれ？移動授業かな、何話してるんだろ



ナユ「あ、せんぱ...

「いや絶対お前の彼女ちゃん泣いちゃうから！笑てかここにいたらどーする？」


「後輩のAちゃんに惚れちゃったんだろ？ほんっと最低な彼氏だな、お前笑笑」






え....

Aってサナがいつも話してた子じゃん



嘘だ

お願い先輩、何か言って、言い返してよ








先輩「....だよ」



........？



先輩「そうだよ、好きで悪いかよ」






ナユ「....っ」








_________私は走った


走って走って、息が切れても走り続けた


誰も私のこんな顔が見えないように




*




サナのAちゃんにだけ見せる笑顔が私には見れない事

大好きな先輩が見ていたのは私ではなかった事





全部、全部知りたくなかった







あなたはきっと悪くない

それでも私はあなたがずっと嫌い







*

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