40. NJside ページ28
霊園に迎えに行った日から数日。
あなたは今、数台のカメラと記者の前に座っている。
「まずはarmyへ、ただいまです。
そして見てくださっている皆様、御説明が遅くなり申し訳ございません。」
車椅子から立ち上がって深く頭を下げるヌナに合わせてみんなも立って頭を下げた。
隣にいた僕はあなたの事を支えながら、フラッシュに照らされるあなたの顔を横目見れば体が痛むのだろう、酷く顔を歪ませていた。
頭をあげればあなたは少しふらついてしまって会場がザワつく。
NJ「ヌナ、ゆっくり座りましょう」
PD「彼女の希望でこの席を急遽設けましたが、彼女の体調を優先させて頂きたいと思います。」
「まずは…経緯を簡単に話しましょうか。」
そうしてぽつりぽつりとあの日までの経緯を話し出すヌナは凛としていて、やっぱり消えてしまいそうだった。
「私は高校時代お付き合いさせていただいていた方がいたのですが、私に付きまとう人が原因でお別れしたんです。
それから、私は練習生となってこうして防弾少年団のﾙﾗｷとしてアイドルをさせていただいています。
高校を転校してからは1度もお会いしておりませんでした。
I NEED Uリリース前くらいから、当時お付き合いしていた人を名乗った人から嫌がらせを受けており、会社が独自に動いてくださっていました。」
時折、詰まりながらも背筋をピンと伸ばして経緯を説明するヌナに記者もメンバーも目を離せない。
机の上でギュッと握りしめられた手をそっと上から覆って、ゆっくり開かせればアンバー色の瞳が少し揺れる。
PD「調べたところ、彼女の元恋人ではなく別の男性、今回捕まった彼が犯人の可能性があることがわかった時に、元恋人である彼と犯人が事務所に現れ事件が起きました。
彼女や彼に被害が及んでしまったのは、我々の落ち度です。」
記者「亡くなった彼とはどういった関係ですか？ファンの皆さんを裏切るような間柄と噂されていますが。」
「亡くなったシウさんは、私の元恋人です。
アイドルをさせてもらっているのにこんな話をするのはarmyからしたら嫌ですよね。
だけど、私が私であるひとつは彼との時間です。はじめて私の歌を褒めてくれたのも、愛してくれたのも彼でした。
彼がいなかったら私はここに立っていないです、メンバーが大切です、armyが大切です。
でも、彼も私の人生においてかけがえのない大切な人でした。
だから、どうか彼のことはもう傷つけないで欲しいんです。」
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藍波(プロフ) - ひつじさん» ひつじさんコメントありがとうございます！わぁ…すごい嬉しい言葉です。コメントとても励みになります。更新しばしお待ちくださいねっ！ (2021年5月28日 12時) (
レス) id: d06db19c7b (このIDを非表示/違反報告)
ひつじ(プロフ) - いいお話だ…。涙が勝手に出てくる…。多くは語りませんけど一言、今まで読んできた中で一番最高です (2021年5月28日 2時) (レス) id: 82dc9ef354 (このIDを非表示/違反報告)
藍波(プロフ) - ななさん» 感想ありがとうございますｯ!わぁ〜一気に読んでくださったのですか！凄く嬉しいです！！かなりお待たせしてしまってるのを理解してるのですが、これからもよろしくお願いいたします！ 更新頑張ります！ (2021年4月5日 14時) (レス) id: d06db19c7b (このIDを非表示/違反報告)
なな - はじめまして。このお話がとても好きで思わず感想送りたくなり投稿致しました。話にのめり込んでしまい一気に読んでしまいました。これからもご自身のペースで頑張ってください楽しみにしてます！ (2021年4月1日 9時) (レス) id: eff7da916c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍波 | 作成日時：2021年2月27日 15時
