…98… ページ48
.
でも男も直ぐに気付いて、今度はわたしに向かって怒号を放ちながら追いかけてきた。そして簡単に腕を掴まれそうになったんだけれど、さっきと同じようにバチッと大きい音が響いて弾かれた。
今度は青白い火花まで上がった。それと同時に何だか額が熱くて痛みも感じる。そっと触れてみればわたしの指もバチッと弾けた。本当に何なの？
相手の男もこの状況が普通ではないことに漸く気付いたようで、じりっと後退りながら恐怖の色を見せる。
「な、なんだ……」
「お前みたいな低俗な人間が俺のものに気軽に触れられるわけないだろ」
呆けている男にジミンは後ろから蹴りを入れるから呆気なく地面に平伏せた。触れようすると弾けるのはジミンの力なの？
「A、さっさと帰るよ」
わたしの手を掴んだジミンはその言葉と共に男の意識を失わせて指を鳴らした。その瞬間視界がぐるっと回って浮遊感があり気持ち悪さを感じる。次にはっと意識を戻したら、見慣れた自分のマンションの入口が目の前にあった。
「瞬間移動……」
「Aさ、俺言ったよね？お前は俺の所有物だってことを忘れるなって。天使との契約を破ったらそれなりの報いを受けるって」
「えっと……」
「浮かれ過ぎだし、俺のものって自覚が無さすぎ」
強い口調で責め立てられて何も言えないでいれば、ぐっと掴まれた腕を引っ張られて部屋の中に入り、そのまま姿見の前に連れて行かれる。戸惑いながらも鏡に写った自分を見れば、熱くて痛みを伴う額は赤く燃えるように紋様が浮かび上がっていた。
「な、に……これ……」
「俺と契約したでしょ？その証を額に刻んだの」
「そんな……だってこんなの今までなかった」
「普段は見ない。でも天使とか同じように力がある奴からしたら、お前はもう誰かと契約済みだっていうことが分かる。それで手出しが出来ない」
そんな大それた契約だったの？ただジミンをわたしの家に住まわせるだけのものじゃなくて？突然の展開に全くついていけない。
「俺の意思に依ることが大半だけど、そうじゃなくても所有物に害があるようならああやって防いだりする。また本人への戒めも込めれるからそうやって燃えるように熱を持つの。今痛いでしょ？」
「っ、……止めてくれないの？」
「Aが俺の所有物だってちゃんと認識したら許してあげるよ」
そう言って妖しく笑う姿にぞくりとする。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - マリさん» ときめきMAXありがとうございます！そんな純粋なお話じゃなくてえろを全面に押し出しているお話なのに…天使ジミンちゃん側も変化が見えてきたところで3章突入です。いつもありがとうございます！ゆっくりですがあと少しお付き合い下さいませ (2021年4月25日 13時) (
レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
マリ(プロフ) - 天使様が焼きもちをやいたり独占欲を出してきたり、最高の展開を迎えてきて私のときめきもMAXです。更新いつもすごく楽しみにしてます！素敵なお話をありがとうございます。 (2021年4月22日 23時) (レス) id: dd24aa3b37 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - otouhu3さん» 毎回嬉しいお言葉ありがとうございます！とても励みになっております。いつも虐められてばかりですからね、偶には余裕がない姿も見てみたいものです。何度も交わってお互い知り尽くしてきてジミン天使様も満更でもないんでしょうね笑 (2021年4月17日 4時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
otouhu3(プロフ) - いてもたってもいられずコメントしに来てしまいました。お風呂のシーンの天使様が普段より早く昇りつめるところにめちゃめちゃキュンとしました…！余裕がなくなってきてるのではTT今回も態度にも翻弄されています…。忙しいとは存じますが何卒ご自愛くださいませ…！ (2021年4月15日 19時) (レス) id: 3f801ffea3 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - マリさん» 天使様サイドも気になりますよね。そのうち明かされると思います。多分…わたしの心配までして頂きありがとうございます。マリ様もお忙しい中ありがとうございます。お互い身体には気を付けて、天使ジミン様で癒されましょう (2021年4月3日 23時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2021年3月27日 20時
