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「おはようございます……」
「おはようございまーす!Aオンニは寝ない作戦ですか?」
「え?」
次の日。殆ど寝ることができなかったわたしは、朝早くに起きる彼に合わせてベッドから出た。
結局抱かれずに終わって、しかも彼の態度は今までの中で1番穏やかで。拍子抜けした。ひたすら戸惑いながら、彼に朝食を用意して宿舎へと帰した。早い時間だったけれど、もう1度寝ることも出来ずに寝不足のまま空港へと向かった。
到着すれば既に何人かスタッフがいて。挨拶をすればジアちゃんから明るい声が返ってきた。
「時差ボケ対策です。わたしは寝ないで起きてる自信はなかったので、いつもより早く寝てぎりぎりまで寝てました。飛行機の中では起きてようかなあって思って」
「ああ……時差ボケ。うん、そんな感じ」
正直何も考えてなかったけれど。飛行機で寝ればいいのかと、彼のことで頭がいっぱいで他のことを考えられなかった自分に苦笑しながら適当にジアちゃんに返す。
そのままコンサートに必要な荷物を預けたりと慌ただしく準備をする。メンバーはプライベートジェットでアメリカまで行くけれど、スタッフ全員が乗れるものではないから、わたしたちは一般の飛行機に乗り込む。
搭乗口に向かう途中、同じように移動しているメンバーたちの姿が目に入って、眠そうにしていた彼の姿を見てホッとした。早い時間に家を出たけれど、それでもちゃんと宿舎に戻ったのか。事務所に行く時間には間に合ったのか。それが気になっていたから。
彼の姿を見ることができてほっとできたからかどうか分からないけれど、飛行機に乗り込んでしまえばあっという間に眠りについてしまって。いつ離陸したのかも分からなかった。ぐっすり寝ているわたしを気遣ってか、隣の席のジアちゃんはわたしを起こすことをしなかったみたいで。気付いたら、冷えかけた機内食が簡易テーブルに置かれていて驚いた。
「あ、起きました?機内食何がいいのか分からなかったので、お肉にしておきました」
「ありがとう……」
ごそごそと動くわたしにジアちゃんが気付いたようで、目の前の画面から目を離さずにわたしに声をかけてきた。機内食を開けてみても食欲がわいてこず、サラダとヨーグルトだけ頂いた。
お肉は無理……そう思いながらもきっと魚でも一緒だったかな……
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藍(プロフ) - Agust dさん» いえいえ正常です笑 わたしも書きながらグクが来たら何させようとずっと考えていました。その結果が今回のお話です。いつもより濃厚にお届けしました!夜中しか更新できなくて申し訳ないですが、お目覚めのお供にどうぞお楽しみください。 (2019年11月8日 0時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Agust d(プロフ) - 夢主の部屋に早くグクが来てなにかが起きて欲しいと楽しみに心待してしまう私は、すこし変態でしょうか? 夜遅くに更新お疲れ様です 朝起きて通知見た瞬間パッチリ目が覚めました これからもファイティンです♪ (2019年11月6日 17時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - kokoboboさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!他のお話も読んで下さって嬉しいです。今までのグクのお話とは違いますが、わたしもダークな一面が好きなので喜んで貰えて良かったです。のんびり更新ですが、最後までお付き合い頂ければと思います! (2019年11月6日 0時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
kokobobo(プロフ) - 素敵な作品読ませていただいてます!以前からお話は読ませていただいていたんですが、ついにグクの闇?版が出てもう本当に嬉しかったです!もうグクのこのちょっとダークな感じが...控えめに言っても最高で... これからも頑張ってください!ありがとうございました! (2019年10月31日 19時) (レス) id: 4b3068ef63 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - あずささん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!まだまだお互い一方通行ですが…わたしも早く2人の甘いお話を書きたいですのでお待ち下さいませ。 (2019年10月25日 1時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2019年7月25日 15時