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「あ…」
目の前の光景を見ている筈なのに、何も見えていなかった。見えているのは別の様子。
フラッシュバックするように自分の脳内で再生される自分の姿。
衝突を避けようと歩道に突っ込んできたバイク。それに気付いて隣に居た人を突き飛ばすわたし。
ああわたしが事故に遭った時の場面だ…どこか冷静な頭でそんなことを思った。
隣に居るのはジョングクさん。でもおかしいな。わたしたち楽しそうにお話していた。腕まで組んじゃって。どういうこと。
そう思った途端、激しい頭痛がわたしを襲う。それと同時にいくつもの情報が頭を巡る。
わたしの脳を刺激する映像は全てジョングクさんのもので。「A」って優しい声でジョングクさんに呼ばれるのを懐かしく感じて。ふわりと感じたのは大好きな香りで。
全てわたしの経験した記憶なのに。意味が分からなかった。分からなかったけれど、わたしはそれらを全て知っていた。
「っ…な、に…じょん、ぐく…？」
持っていたカフェやベーグルが音を立てて地面に落ちる。でもそんなこと気にしていられなかった。
頭が痛すぎて立っていられない。いくつもの情報が脳を刺激してくらくらする。
わたし、わたし…なんで、なんて大事なことを忘れていたの。
「A！！」
大きな声でわたしのAを呼ぶ、大好きな声。
ああずっと傍にいたのにね。ごめんね、気付いてあげられなくて。
でも、でもね。例えあなたに気付かなくても、わたしは何度だってあなたに恋をするの。
だってほら、現にわたしはあなたに恋をしている。
会えないのが寂しくて。会えるって分かったら嬉しくて。あなたの隣が温かくて居心地がよくて離れたくないって思ってる。
「じょんぐく…」
泣きそうな顔してわたしを見つめるジョングクの顔を見ながら、わたしの意識は深く沈んでいった。
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Yuki - ありがとうございます！では、遠慮なく、、、。本当に藍さんの作品に出合えてよかったです！無理せず更新頑張ってください！！！ (2019年1月30日 23時) (
レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - Yukiさん» いつもいつもyukiさまの温かいコメントにほっこりしていますので。いくらでもコメントして下さい！嬉しいので有難いです。もうすぐ1章終わりますので引き続きお楽しみください！ (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。こちらまで読んで頂いて嬉しいです。もしかして、もしかしてです。もうすぐ明らかになりますのでお待ちくださいね。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - いえいえ！逆に、コメントしすぎちゃうとダメかなって思って、でも藍さんとお話したくなっちゃって、、、笑笑 お言葉に甘えてこれからは毎日のように送っちゃってもいいですか！！！ウザかったら無視してくれちゃって大丈夫です！更新頑張ってください！ (2019年1月29日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ずっとずっともしかして、と思っていましたが、ヒロインヌナ記憶がないですよね？でもふとした瞬間に体が動いてますね…そろそろ涙が止まらなくなってきました (2019年1月28日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍
| 作成日時：2019年1月20日 1時
