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「ジョングクさん…」

「あ、一緒に撮れば良かった。もう1回いい?」


そう言って今度はインカメにして体を乗り出してわたしに近付いてくるからどきどきする。アイドルとこんな簡単に写真撮っていいんだろうかなんてふと思ったけれど、楽しそうなジョングクさんの顔を見れば何も言えなかった。

写真を撮られ慣れているジョングクさんと違って、殆ど撮ることも撮られることもないわたしの表情は硬くて。でも横で笑うジョングクさんとパフェとわたしが写る写真は楽しそうだった。

周りから見たらわたし達ってこうやって見えるんだなってその写真を見て思った。わたしの表情は硬いけれどでも一応笑っていて。楽しそうにしていることが分かる。わたしちゃんと楽しんでる。ジョングクさんが隣にいるだけでこんなに違うんだって思ったら、今のこの瞬間がとてもかけがえのないものに思えた。


「食べよ!溶けちゃう」

「あ、うん…」


ジョングクさんに持ち手の長いスプーンと取り皿を渡されて、そのままパフェのアイスを掬い出す。普段食べないものだったけれど嫌ではなくて。口の中で甘く溶けるアイスをしっかりと味わった。


「Aヌナ?」

「へ?あ…」

「お腹いっぱいになった?」

「ま、まだ大丈夫です…」


ぼーっとしていたわたしを覗き込むようにジョングクさんは体を乗り出していて。ハッとして顔を上げたらすぐ近くに整った顔があって驚いて恥ずかしくなる。そっと気持ち後ろに顔を反らして距離を取れば、ジョングクさんはわたしが見ていた方に視線を向ける。それにホッとしてさっきまで見ていた方へわたしも視線をやる。

その視線の先は子ども連れの家族のテーブルで。わたしたちと同じものを家族4人で楽しそうに食べていた。大きなパフェに興奮気味の子どもたちは椅子の上に立ち上がって食べようとしていて、母親が注意して、父親は苦笑しながら小皿に取り分けてあげていた。

なんてことのないありきたりな家族の姿がそこにはあった。でもそれはわたしの知らない家族の姿だった。


「ヌナって…」


わたしと同じようにその家族の様子を見ていたジョングクさんが視線をわたしに戻しながらゆっくりと口を開く。


「病院の人に勝手に聞いてしまって申し訳ないんですけど、家族はいないんですよね…」


遠慮がちに話される言葉に苦笑する。わたし今、そんな酷い顔してたかな。


「もうわたしにとっては居ないことは当たり前のことだから気にしないで」


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Yuki - ありがとうございます!では、遠慮なく、、、。本当に藍さんの作品に出合えてよかったです!無理せず更新頑張ってください!!! (2019年1月30日 23時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - Yukiさん» いつもいつもyukiさまの温かいコメントにほっこりしていますので。いくらでもコメントして下さい!嬉しいので有難いです。もうすぐ1章終わりますので引き続きお楽しみください! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。こちらまで読んで頂いて嬉しいです。もしかして、もしかしてです。もうすぐ明らかになりますのでお待ちくださいね。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - いえいえ!逆に、コメントしすぎちゃうとダメかなって思って、でも藍さんとお話したくなっちゃって、、、笑笑 お言葉に甘えてこれからは毎日のように送っちゃってもいいですか!!!ウザかったら無視してくれちゃって大丈夫です!更新頑張ってください! (2019年1月29日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ずっとずっともしかして、と思っていましたが、ヒロインヌナ記憶がないですよね?でもふとした瞬間に体が動いてますね…そろそろ涙が止まらなくなってきました (2019年1月28日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年1月20日 1時

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