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「あ、もうこんな時間…」
どたばたと化粧道具を片付けて上着を着て、鞄を引っ掴む。慌ただしく玄関の鍵を閉めてマンションを飛び出した。
なんだかすごくどきどきして昨日はしっかり寝れなかった。入院中はジョングクさんがお見舞いに来てくれるのを待ってるだけだったし、お店に来てもらったりデリバリーしに事務所に行く時は仕事中だから気にならなかった。
この前一緒にお出かけした時も通院の後だったから。だからこうやって朝から待ち合わせ場所決めて、そのデートみたいなことするなんてすごく意識してしまう。
よく考えたら入院中はほとんどすっぴんだったわけだし、服装だって病衣だったわけだから今更気合いを入れるのも変な感じだけど。それでもちゃんとした格好で隣に立ちたいって思って服装はめちゃくちゃ悩んで。化粧も髪型も時間をかけた。
ああでも気合入ってるって思われるのもなんか浮かれてるみたいで恥ずかしいな。でも事実だし…本当に子どもみたい。まともなお付き合いをしてこなかったからこんなことで舞い上がっちゃうんだよね…
有名人を人が多いところで待たせてはいけないと思い、先を急ぐ。ぎりぎりに家を出てきたのでそんなに早く待ち合わせ場所には辿り着けないけれど、せめて5分前にはとは思う。
待ち合わせ場所に着いて、辺りを見回す。良かった、まだジョングクさんは来てない。ホッとしたのも束の間、元気のいい声が聞こえてくる。
「ぬっなー!」
帽子を深くかぶってマスクしてるけど、オーラは相変わらずあってどう見ても一般人には見えないジョングクさんが腕を大きく振ってわたしのところにやってくるからぎょっとする。
「こ、声大きいですよ。バレちゃいますよ」
「えー大丈夫だよ」
全く気にしてない様子のジョングクさんに大丈夫かなって不安になるけれど、それよりも視界に入ったものに釘付けになる。
「あ…それ、」
「映画と言えばポップコーンでしょ?あ、ヌナもコーラでよかった?」
「え…」
ジョングクさんが片手で抱えているのは大きなポップコーンと飲み物が2つのセット。い、いつの間に…
「あ、嫌だったなら他の物買ってくるけど」
「ち、違うの!コーラは好きだよ。そうじゃなくて、ジョングクさんいつから…」
「楽しみで珍しく早く目が覚めて!きっと売り場並んでると思ったから先に買おうと思って。そしたらヌナがちょうどよく来てくれたし良かった」
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Yuki - ありがとうございます!では、遠慮なく、、、。本当に藍さんの作品に出合えてよかったです!無理せず更新頑張ってください!!! (2019年1月30日 23時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - Yukiさん» いつもいつもyukiさまの温かいコメントにほっこりしていますので。いくらでもコメントして下さい!嬉しいので有難いです。もうすぐ1章終わりますので引き続きお楽しみください! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。こちらまで読んで頂いて嬉しいです。もしかして、もしかしてです。もうすぐ明らかになりますのでお待ちくださいね。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - いえいえ!逆に、コメントしすぎちゃうとダメかなって思って、でも藍さんとお話したくなっちゃって、、、笑笑 お言葉に甘えてこれからは毎日のように送っちゃってもいいですか!!!ウザかったら無視してくれちゃって大丈夫です!更新頑張ってください! (2019年1月29日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ずっとずっともしかして、と思っていましたが、ヒロインヌナ記憶がないですよね?でもふとした瞬間に体が動いてますね…そろそろ涙が止まらなくなってきました (2019年1月28日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2019年1月20日 1時