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「そういうの良くないと思うぞ」
何か言おうとしていたソクジンさんより先にわたしのもとに届いた言葉。ユンギさんだった。
「Aには俺達がいるだろ?ジョングクはお前のこと気にってヌナヌナって懐いてる。俺もお前のこと嫌いじゃない。お前の届けてくれるコーヒーを楽しみにしてる」
ユンギさんは入院中の時から真っ直ぐに気持ちを伝えてくれる人で。その真っ直ぐさが苦しかったりしたけれど、でもその言葉はやっぱ温かくて有り難かった。
「僕もAちゃんのこと好きだよ」
眩しいほどの笑顔を向けて告げられる言葉にぎゅっと胸を締め付けられて痛いほどだった。
「ジョングクだけじゃなくて僕たちみんなAちゃんがこうやってコーヒー届けてくれるの待ってるの。今日のAちゃんのお勧めは何かなって楽しみにしてる」
「Aは俺達に会うの楽しみにしてないわけ?何考えながら選んで持ってきてくれるわけ?」
「…楽しみにしてます。だからきっと滲み出てるんだと思います」
「うん、Aちゃんの笑顔をよく見るようになったしね。そう思ってくれて僕も嬉しいよ」
ソクジンさんとユンギさんの優しい笑みにまた心が温かくなって。ジョングクさんもそうだけど本当にこの人達は優しくて温かい人達だなって思う。そうやって優しさばかりに触れているとわたしは腑抜けてしまいそうになる。
彼らから離れないといけないって思うのに離れたくなくなってしまう。いつまでも甘えるわけにはいかないし、責任を感じている彼らの負担を和らげないといけない。
だからこれ以上優しさでわたしを包み込まないでと思うのと同時に、いつまでもその優しさの中に居たいっていう我儘な思いを抱いてしまう。
結局その日はソクジンさんとユンギさんの穏やかさに癒されて。相変わらず少し強引だけど可愛い笑顔を振りまいてくるジョングクさんに翻弄されて終わった。
そして次の日も同じようにジョングクさんがお店にやってきて。いつものように大量に注文して。わたしと並んで事務所まで運ぶ。
そしてまた違うメンバーの優しさに触れて苦しくなったり嬉しくなったりしていた。
結局わたしは彼らの優しさから本気で抜け出したいとは思っていなくて。そしてジョングクさんの可愛い笑顔をもっと見たい、ヌナって甘えられたい、もっと隣にいたいって思っている。
いつの間にかどんどんジョングクさんでいっぱいになっていた。
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Yuki - ありがとうございます!では、遠慮なく、、、。本当に藍さんの作品に出合えてよかったです!無理せず更新頑張ってください!!! (2019年1月30日 23時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - Yukiさん» いつもいつもyukiさまの温かいコメントにほっこりしていますので。いくらでもコメントして下さい!嬉しいので有難いです。もうすぐ1章終わりますので引き続きお楽しみください! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。こちらまで読んで頂いて嬉しいです。もしかして、もしかしてです。もうすぐ明らかになりますのでお待ちくださいね。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - いえいえ!逆に、コメントしすぎちゃうとダメかなって思って、でも藍さんとお話したくなっちゃって、、、笑笑 お言葉に甘えてこれからは毎日のように送っちゃってもいいですか!!!ウザかったら無視してくれちゃって大丈夫です!更新頑張ってください! (2019年1月29日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ずっとずっともしかして、と思っていましたが、ヒロインヌナ記憶がないですよね?でもふとした瞬間に体が動いてますね…そろそろ涙が止まらなくなってきました (2019年1月28日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2019年1月20日 1時