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「A昼間はリハビリしてるんだって!」
「テヒョニヒョン知ってたんですか?」
「ううん、さっきAに聞いた」
「なんだ…もう、言ってくれればよかったのに…」
ホッとした顔をしてジョングクさんはへなへなと力を無くして床に座り込む。そしてそのまま車椅子に座るわたしの両手を掴んだ。
「病室に来てヌナがいないし。検診って聞いてないからどこに行っちゃったんだろうって心配になったんだから」
本当に心配してくれていたんだなってことが分かって心苦しくなる。言うタイミングがなくてまた今度でいいかって後回しにしていたわたしを殴りたい。
「売店にも食堂にもいないし…中庭にもいないからどこ探せばいいのか分からなくて」
「ごめんなさい…伝えるタイミングがなくてリハビリのこと言わなくて心配をかけちゃいましたね」
きっとわたしが何処にもいなくて凄く困ったのだろう。だからテヒョンさんもわたしを見つけて急いでジョングクさんの元に戻らないとって思って爆走したんだ。
「Aはリハビリしてただけだし、なんともなくて良かったね!」
「はい…」
テヒョンさんの言葉に力のない声で返事をするジョングクさん。そんな様子にやっぱり申し訳ない気持ちになるが、ふとそんな慌てなくても良かったんじゃないのかなって思って口を開く。
「でもナースステーションで聞いてくれれば、わたしがリハビリ中だって教えてもらえたと思うのに…」
そう言えばジョングクさんもテヒョンさんもぽかんとした顔をしてわたしを見る。それがおかしくて思わず笑ってしまった。
「俺達バカだったね」
「本当ですね。今度からすぐに聞きます」
「あはは!そんな驚いた顔をしなくても」
何やってるんだって顔して2人して顔見合わせながら驚いている様子に笑い続ければ今度はテヒョンさんがわたしの顔を見て嬉しそうに笑う。
「あは!Aが笑ってる」
「え?」
「ようやく楽しそうに笑ったね。Aはそうやって笑ってた方がいいよ」
驚いていたら更にテヒョンさんは優しい顔をしてそんなことを言ってくる。戸惑いながらジョングクさんを見れば彼も同じような表情をしてわたしを見ていた。
「Aヌナにはずっとそうやって笑っててほしい」
「ジョングクさん…」
何故か分からないけれどジョングクさんのその綺麗な笑顔を見て胸が苦しくなった。
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Yuki - ありがとうございます!では、遠慮なく、、、。本当に藍さんの作品に出合えてよかったです!無理せず更新頑張ってください!!! (2019年1月30日 23時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - Yukiさん» いつもいつもyukiさまの温かいコメントにほっこりしていますので。いくらでもコメントして下さい!嬉しいので有難いです。もうすぐ1章終わりますので引き続きお楽しみください! (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» コメントありがとうございます。こちらまで読んで頂いて嬉しいです。もしかして、もしかしてです。もうすぐ明らかになりますのでお待ちくださいね。 (2019年1月30日 19時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - いえいえ!逆に、コメントしすぎちゃうとダメかなって思って、でも藍さんとお話したくなっちゃって、、、笑笑 お言葉に甘えてこれからは毎日のように送っちゃってもいいですか!!!ウザかったら無視してくれちゃって大丈夫です!更新頑張ってください! (2019年1月29日 22時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - ずっとずっともしかして、と思っていましたが、ヒロインヌナ記憶がないですよね?でもふとした瞬間に体が動いてますね…そろそろ涙が止まらなくなってきました (2019年1月28日 23時) (レス) id: cd9810eca3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2019年1月20日 1時