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「ジョングク、ボイトレするなら手伝うよ?」
「A疲れてるでしょ。いいよ、1人で行ってくるから」
宿泊中のホテルの部屋から出て行こうとするジョングクに声を掛ければやっぱり直ぐに断られる。ダンスの練習や運動ができないから最近のジョングクはボイトレに力を入れていた。
だから少しでも力になりたかったのだ。ボイトレならわたしだって助けてあげられることがある筈だから。
「ジョングクが居ない部屋に1人で居るのは寂しいから……」
「もう……それじゃあ一緒に行こう。別にAは休んでていいからね」
「ジョングクがやってるのを見てたらじっとはしてられないよ」
「なに。今日はやたらと素直だし、積極的だね?」
「そんなことはないと思うけど」
「別のことも積極的になってもいいよ?」
「別のことって?」
「俺への愛情表現」
そう言って唇突き出してくるから恥ずかしくなってしまって、ジョングクの顔を見ずに横をすり抜けた。直ぐにバレて腕を掴まれて引き戻させるのだけど。
そのまま口付けられて、抱えられるように部屋を後にする。
こうやって引っ付いてきたりする分はいつも通りで。もうジョングクはわたしに対して怒ってはいないことは分かるのだけれど、それでも焦ってるように見える様子に不安にはなる。
「A、もう1回歌ってみて」
「うん」
ボイトレするなんて言いながら、2人して柔軟し始めて。脚使わなきゃいいんでしょなんて言い始めたジョングクは、懸垂始めたりして上半身を鍛え始める始末。
それにわたしも一緒になって鉄棒にぶら下がってみたけれど、直ぐに腕が痛くて床に降りた。
そのままジョングクがぶら下がってるの見ながら手持ち無沙汰になってしまったわたしは、今回のカムバ曲を口ずさんだりしていた。
偶々頭の中にメロディが流れてきたから今回のジョングクのソロを歌い始めれば、ちゃんと歌ってと言われて一からまた始める。
ぶら下がりならだけど真剣に聞いている事が分かるから少し緊張しながらも、口ずさむ程度じゃなくてしっかりと歌い上げる。最後のパートまで終われば、漸くジョングクは腕を離して怪我してない方の足だけで床に降りた。
そのままわたしの横に腰を下ろしたかと思ったら同じ様に歌い始めたから、今度はわたしがじっとジョングクの歌声に耳を傾けた。
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jk - 大好きな藍さん。藍さんの小説が私の楽しい時間の1つです。これからも更新を楽しみにしています! (2022年1月24日 23時) (レス) id: 11363a0d46 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みき(マルクル)さん» お久しぶりです!お返事遅くなってしまってすみません。そして大変お待たせしました。そう言ってくださる事が本当に励みになりますし、更新し続けられる活力になります。引き続き今まで以上にゆっくり更新になりますが、どうぞよろしくお願いします (2021年12月9日 22時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みき(マルクル)(プロフ) - 藍さんのお話がまた読めて嬉しいです。ゆっくりで良いので、また楽しいお話を読み続けさせてください。 (2021年12月4日 1時) (レス) @page23 id: 61a241c77b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みんさん» ただいまです!お返事遅くなってしまってすみません。1番大好きだなんて!それなのに長い間お待たせさせてしまって…お気遣いもありがとうございます。引き続きよろしくお願いしますね (2021年12月3日 19時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - おかえりなさい!!1番大好きな小説が帰ってきてくれて幸せいっぱいです(﹡ˆᴗˆ﹡)♡ゆっくり藍さんのペースで無理せず更新してくださいね( ¨̮ )♩ (2021年11月28日 17時) (レス) @page20 id: d0e84fc41d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2021年11月20日 15時