＊056 ページ7
.
誰の顔も見ないでどこか遠くを見てるジョングクの思いが分からなくて緊張する。考えれば考えるほど悪い方向にいってしまって。このままどんどんジョングクに嫌われてしまうんじゃないかって思えてしまう。
久しぶりにジョングクを遠くに感じた。
まだわたしがジョングクへの想いをひた隠しにしていた頃、ジョングクがわたしに対してあまり良い感情を持っていなかった頃の様で……
今もそうだけど、あの時はよりジョングクの一挙一動が気になって。少し視線を向けられただけで何を思っているのだろう、わたしに対して何か思うところがあったのかな、なんてずっと考えてた。
あの時から共に時を重ねて、いろんな想いを共有してきた筈なのに。あの時と同じ様にジョングクの事が分からないなんて。わたしは一体ジョングクの何を見てきたのだろう。それが苦しくて悲しかった。
「で！結局どうするの？！ジョングクはどうしたいの？」
「…………」
わたしが1人考えて落ち込んでいる間も、テヒョンオッパ達はずっとどうするかやいやいしてたみたいで。埒があかないとホソクオッパが手を叩いてジョングクに意見を求めた。
考え込んでいたから気付かなかった可能性もあるけど、ジョングクもずっと一言も発さずにオッパ達の話を遠巻きに聞いていて。話を振られて初めて意見を言うかもしれない。
直ぐには返事をしなくて、真っ直ぐにわたしの顔を見てくるからどきりとする。ジョングクじゃなくてわたしの意見が聞きたいってこと？
緊張しながら見つめ返せば、突然にっと笑ってわたしの手を取るから、その変わりように驚く。
「いいですよ、テヒョンイヒョンの案で。カメラの前で堂々とAといちゃ付けるって事でしょ？」
「そーだけど、そうじゃない！」
「やー！手繋ぐだけだよ！！」
ジョングクはぐっと掴んだわたしの手を引いて抱きしめるからそのまま固まってしまうし、テヒョンオッパはすかさず「そうじゃない！」と反論するし、ジンオッパはぱしりとジョングクの腕を叩いていた。
「ヒョン達が言ったんですよ！堂々とやるし」
「はらはらするからやめようか」
いつもの強気なジョングクで、何だかさっきまで黙っていて何を考えているのか分からない様子はなくて、困惑する。
でもオッパ達はそんなジョングクに合わせてなのか、気にならないのか、同じ様にいつも通り接していて。ナムオッパがやっぱりやめようと言えば、すかさずジョングクが嫌だと抵抗した。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jk - 大好きな藍さん。藍さんの小説が私の楽しい時間の１つです。これからも更新を楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: 11363a0d46 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みき(マルクル)さん» お久しぶりです！お返事遅くなってしまってすみません。そして大変お待たせしました。そう言ってくださる事が本当に励みになりますし、更新し続けられる活力になります。引き続き今まで以上にゆっくり更新になりますが、どうぞよろしくお願いします (2021年12月9日 22時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みき(マルクル)(プロフ) - 藍さんのお話がまた読めて嬉しいです。ゆっくりで良いので、また楽しいお話を読み続けさせてください。 (2021年12月4日 1時) (レス) @page23 id: 61a241c77b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みんさん» ただいまです！お返事遅くなってしまってすみません。1番大好きだなんて！それなのに長い間お待たせさせてしまって…お気遣いもありがとうございます。引き続きよろしくお願いしますね (2021年12月3日 19時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - おかえりなさい！！1番大好きな小説が帰ってきてくれて幸せいっぱいです(﹡ˆᴗˆ﹡)♡ゆっくり藍さんのペースで無理せず更新してくださいね( ¨̮ )♩ (2021年11月28日 17時) (レス) @page20 id: d0e84fc41d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2021年11月20日 15時
