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「前から頑張り過ぎちゃうところはあったけれど、ここまでだった?ジョングクは何を抱えてるの?」
「そんな大それた事じゃないよ。ただ、アミ達に認められたいだけ」
そうぽつりと呟くように漏らすジョングクの声は小さくて。そんな事ないって否定しているけれど、自分でもどこかおかしいって気付いてるのかな。
「俺は……もっと上手くやらなきゃもっとしっかりしなきゃって思ってる。怪我したのだって、もっと強い身体を作ってればこんな思いしなくて済んだのに。また練習できなくなっちゃったから治ったらもっと頑張らないと……」
「じょんぐく……」
どうしてこんなに追い詰められて、もっともっとって高みを目指して葛藤しているんだろう。決して怠けているわけでもなく頑張り過ぎなぐらいなのに。
「ジョングクは十分頑張ってるし、努力してるよ。怪我の原因だって身体作りを怠っていたわけじゃなくて、頑張り過ぎちゃったからで……」
「それでもヒョン達は誰も怪我なんてしてない。ジミニヒョンは俺より努力する人だし、ナムヒョンやジニヒョンだって残って練習してる。Aだって女の子なのに俺達に合わせる為に頑張ってる」
「わたしは、そうしないと足りないから……」
「俺も同じだよ。もっと上手くやらなきゃ」
そう何度も呟くように言うジョングクはまるで自分に言い聞かせてるようで、そうやって刷り込んで間違ってないって思わせてるのかな。
「……じょんくく、」
「ごめん、こんな事言ってもAは困るだけだよね。もうAのこと怒ってないから。Aがしなかったら他の誰かがそうしたと思うし……他の人でも俺は同じように苛立ってたと思うから……」
「うん……出来ればこれからはあまり無理しないで。今は思うように動けなくてもどかしいかもしれないけど……」
「A」
わたしの言葉を遮るように名前を呼ばれて、入口に突っ立ったままのわたしを呼び寄せる。一瞬傍に寄ってもいいのか迷ったけれど、手を伸ばすジョングクの姿に反射的に動いていた。
その手を掴めばぐっと引き寄せられて、もう何も言わないでと言うかの様にわたしをきつくきつく抱きしめたジョングク。そんな様子に、もうあまりにいろいろ言わない方がいいのかもしれないって思った。
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jk - 大好きな藍さん。藍さんの小説が私の楽しい時間の1つです。これからも更新を楽しみにしています! (2022年1月24日 23時) (レス) id: 11363a0d46 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みき(マルクル)さん» お久しぶりです!お返事遅くなってしまってすみません。そして大変お待たせしました。そう言ってくださる事が本当に励みになりますし、更新し続けられる活力になります。引き続き今まで以上にゆっくり更新になりますが、どうぞよろしくお願いします (2021年12月9日 22時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みき(マルクル)(プロフ) - 藍さんのお話がまた読めて嬉しいです。ゆっくりで良いので、また楽しいお話を読み続けさせてください。 (2021年12月4日 1時) (レス) @page23 id: 61a241c77b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みんさん» ただいまです!お返事遅くなってしまってすみません。1番大好きだなんて!それなのに長い間お待たせさせてしまって…お気遣いもありがとうございます。引き続きよろしくお願いしますね (2021年12月3日 19時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - おかえりなさい!!1番大好きな小説が帰ってきてくれて幸せいっぱいです(﹡ˆᴗˆ﹡)♡ゆっくり藍さんのペースで無理せず更新してくださいね( ¨̮ )♩ (2021年11月28日 17時) (レス) @page20 id: d0e84fc41d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2021年11月20日 15時