＊070 ページ22
.
ジョングクの身体を今だに直視できないけれど、この腕の落書きはもう見慣れてしまった。
わたしがしがみついているジョングクの腕を見ながらぼんやりとそんな事を思った。何も相談もなく、突然タトゥーをいれて見せに来た時は悲しかったけれど。今では「これはどういう意図なの？」なんて普通に会話して受け入れている。
最近は新しいものをいれる事はなくなったけれど、タトゥーが増えるペースが早かった時は全身にいれる気なのだろうかと心配にもなったりした。でもジョングクがわたしより不安な事なんてないって思い込んでいたから、そこまで心配もしていなかったけれど……
今回の怪我から、強迫観念のような成長し続けなきゃ、強くならなきゃというジョングクの強い思いや、危うい気持ちを目の当たりにして、ジョングクだってわたしと同じように弱くなったりするんだって事を知った。
ジョングク……だけじゃないけれど、オッパ達もみんなわたしの事をたくさん気にしてくれて、守ってくれるから、わたしには弱いところを見せようとしないけれど。みんなそういう時期があったり、苦しい時があったりするんだよね……
「……ジョングクはわたしが傍にいて良かったって思う？」
「どうしたの急に。傍に居てくれなきゃ困るんだけど」
「……、甘えていいよって言ったものの、やっぱりジョングクはわたしの事凄く気にしてくれるし、守ってくれるから……わたしの方がジョングクが傍に居てくれて良かったって思う事多いだろうし……今までもわたしが支える事ができたとは思えないから……」
「そんな事ないよ」
わたしがしがみついていた腕に力を入れるから手を離せば、そのままその腕が身体に周り更にぎゅっと抱きしめられる。わたしの首元に顔を埋めたジョングクはそのまま口を開いた。
「Aの真っ直ぐな俺への気持ちは本当に助けられることばかりだし……今はAが好きでしょうがないし、Aなしでは生きていけないって思えるくらいだから、傍に居てくれるだけで嬉しいよ」
「わたし……ちゃんとジョングクのためになってる？」
「Aが笑って傍にいてくれるだけで十分」
「でも、……それじゃ……わたしはもっとジョングクに助けられてるのに」
「そうじゃないの」
不安げに話すわたしにぴしゃりと強い口調で言うジョングクに思わず口を閉じる。ジョングクは相変わらずわたしの首元に顔を埋めたままだから、表情も分からず意味もなく不安になる。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3229人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jk - 大好きな藍さん。藍さんの小説が私の楽しい時間の１つです。これからも更新を楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: 11363a0d46 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みき(マルクル)さん» お久しぶりです！お返事遅くなってしまってすみません。そして大変お待たせしました。そう言ってくださる事が本当に励みになりますし、更新し続けられる活力になります。引き続き今まで以上にゆっくり更新になりますが、どうぞよろしくお願いします (2021年12月9日 22時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みき(マルクル)(プロフ) - 藍さんのお話がまた読めて嬉しいです。ゆっくりで良いので、また楽しいお話を読み続けさせてください。 (2021年12月4日 1時) (レス) @page23 id: 61a241c77b (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みんさん» ただいまです！お返事遅くなってしまってすみません。1番大好きだなんて！それなのに長い間お待たせさせてしまって…お気遣いもありがとうございます。引き続きよろしくお願いしますね (2021年12月3日 19時) (レス) id: 10b94e4ad6 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - おかえりなさい！！1番大好きな小説が帰ってきてくれて幸せいっぱいです(﹡ˆᴗˆ﹡)♡ゆっくり藍さんのペースで無理せず更新してくださいね( ¨̮ )♩ (2021年11月28日 17時) (レス) @page20 id: d0e84fc41d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2021年11月20日 15時
