【BTS】カタストロフィー【JK】 (ページ6)

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ナマエは１人、暗いスマートフォンのディスプレイを見つめていた。タクシーを降りてからも、何度も何度も鳴り続けた電話。決まって公衆電話からのそれは、もう１度出てみてもやっぱり無言で。

切る寸前、今度ははっきり、『死ね、』と聞こえた。

慌てて切ればまたすぐに、電話は飽きることなくナマエを呼ぶ。

それが怖くて、ナマエはついに電源を切ってしまった。

「…なんで、だれなの」

ソファーに背中を預けて何気なく見つめた天井。壁。

隙間なんてないのに、何処からか誰かに見られているような気がして。

「……っ、やだ、」

近くにあったクッションに顔を埋める。
…怖い。気持ち悪い。

もしかしたらジョングクの過激なペンかも、そんな考えが頭を過ぎる。

いつだったかジョングクが頻繁にスマートフォンを買い替えていた時期があった。それとなく理由を聞いてみると出てきたのは「サセン」という聞き慣れない単語。

考えれば考えるほど自分の現状と彼を悩ませるサセンがする行動に当てはまるところが多すぎた。

でもアイドルであるジョングクとはデートなんてしてないし、このマンションだってジョングクの事務所の関係者が住んでいるみたいだから問題はない、はず。

それに、ジョングクがデビューする前から付き合っているけれどこんなことは一度もなかった。

…もしかしたらわたしはジョングクに迷惑をかけてるんじゃないか。今はそうじゃなくてもこれから先、わたしはジョングクの重荷になってしまうんじゃないか。

愛する彼との別れを考えてしまうほど、ナマエの心は弱っていた。