【BTS】カタストロフィー【JK】 (ページ13)

今日:6 hit、昨日:4 hit、合計:40,976 hit

・ページ13

「まだかなぁ…」

時計を眺め１人呟くナマエ。一人で過ごす時間は長く感じて苦痛だった。ジョングクに連絡を入れようかとスマートフォンを手にとったそのとき、微かに窓が鳴り、びくりとナマエは肩を震わせる。

「…なに、だれ」

…風だよね？ただの風…
言い聞かせ、何とか平静を保つ。

「グク…はやく来て…」

怖い。怖い。怖い。怖い。
１人は、不安でたまらない。

お願いだから、早く帰ってきて。

縋るように時計を見つめるが、相変わらず時間はゆっくり進むばかりで。

‐カタン

「…ひっ、」

また微かに鳴った窓。一定のリズムで秒針を進める時計のようにナマエの限界が近づいていく。

「…も、や、やだ…」

立ち上がり、部屋を出る。

やっぱり、ついて行けば良かった。慣れていたはずの１人も今ではとても怖い。足早にエレベーターに乗り込み、１階のボタンを押した。

やがてエレベーターはエントランスへと到着し、恐る恐るナマエは足を踏み出す。震える手をおさえるように握りしめた。

部屋にいるよりも怖いけど、此処に居たほうが少しでも早くジョングクに会えるから。

エントランスを抜け、ナマエはマンションの入り口へと進む。

その時

「なに、この臭い…」

ふわり、風に乗り鼻をついた悪臭。何かが腐ったような、酷くすえた臭い。

近くにあるゴミ捨て場からかな、風が強いみたいだし。
首を捻りながらもナマエは外へ出る。

「っあ、グク！」
JK「？…ナマエ！」

ふと顔を上げた暗闇の先に丁度帰ってきたばかりのジョングクが居た。ジョングクは、笑顔でナマエに駆け寄る。
近づく距離にほっと胸をなで下ろし、何気なくマンションの入り口に目を移した瞬間。

「……え…？」

ナマエは、それに気付いた。
カタカタと奥歯が鳴る。
握ったままだった手にじわりと滲んだ汗。

「なんで、そこ、わたしの…」

マンションの入り口に設置されたポスト。そのうちの１つ、いつも自分が使っているものから

ポタリ、ポタリと

赤黒い液体が滴り落ちていた。