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次の日起きても、もちろんAは隣にいなくて。
それどころか起こしてもくれなくて。朝からすごく絶望した。
久しぶりにヒョンに叩き起こされた俺は、悲壮感をめちゃくちゃ漂わせていたと思う。
今日のミュージックアワードの会場に向かう途中、ずっとAの隣を陣取ってAに「何で何で」と聞くけれど、曖昧な返事のみでまともに俺と会話してくれなかった。
疲れていたからそのまま寝落ちしてしまった、という言葉は本当なのかどうかは分からなかった。
でもAの顔は疲れが取れているようには見えなかったし……
それでもAが少しでも寝れたならそれでいいかなってめちゃくちゃ不貞腐れはしたけれど、安心してAを引き寄せた。
すぐに距離を取られてまたショックを受けたけど。
そんな状態でも仕事は待ってくれなくて。
リハーサルして本番が始まって、アミたちの歓声を受けて気持ちよくパフォーマンスしてとどんどん時間は過ぎていく。
そんな時、最後の曲の始まりからAが辛そうにしていることに気付いて、気にしながら自分のパートを歌っていた。
一息つく瞬間、観客席から背を向けた時、そんな一瞬一瞬に辛そうにぎゅっと目を瞑るのを敏感に見つける。
ああ、体力が限界なんだって思った。
頑張れA。あと少しだから。
そう力強く思いながら、いつAがバランス崩してもいいように意識を集中させていた。
それでも最後までAはなんとか堪えて、無事に俺達のパフォーマンスは終了した。
暗転してステージ裏に戻ろうとしたらやっぱりAはふらついて、すかさず支えてやる。
もう脚は震えていて今にも崩れ落ちそうだったから、殆ど俺に凭れ掛からせるようにして歩く。
だけどAはそんな俺から離れようとする。
ふらふらで1人ではとてもじゃないけど歩けなさそうなのに大丈夫だって言う。
それを制してAの引き寄せた腰に力を入れて離さないようにする。
A自身、口では大丈夫だって言うけど、実際は俺から離れる力も残ってないからそのまま。それでも尚も大丈夫だって言うから困る。
「も、大丈夫だから……お願い」
「なに、もう舞台裏だから誰も見てないし心配いらないよ?」
何かをとても気にしているようで、何がそんなに心配なのだろうって思う。
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藍(プロフ) - 咲さん» お返事遅くなってしまってすみません。そして不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。ただネガティブ設定なのがこのマンネちゃんですので、もし合わないようでしたらこの先はあまりお勧めできません。ここまでお読み頂いてありがとうございました (2021年2月21日 21時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 主人公がネガティブすぎてイライラしてきました、、 (2021年2月4日 10時) (レス) id: 13ed79e527 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ちさん» わあ!!ちゃんとこの世界観を保ったままのお話をお届けできて安心しました!わたしもこの2人を書いている時は幸せになります。こちらこそ素敵なお言葉をいつもありがとうございます!そしてお気遣いまで頂いて感謝です。来年もよろしくお願いしますね! (2020年12月31日 9時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - ひさしぶりの可愛い2人を見れて幸せです!この作品、周りのお兄ちゃんたちも優しくて大好きです^_^毎回楽しませてくれてありがとうございます!!これからも藍さんのペースで活動なさってくださいね(*^^*) (2020年12月30日 3時) (レス) id: 7a71588492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年12月29日 18時