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「あれ、A早起きだね。待っててね、直ぐにご飯用意するよ」
「あ……わたしも、やります……」
「ありがとう。じゃあお湯沸かしてもらおうかな」
素早くシャワーを浴びで身支度を整えてキッチンに向かえば、同じように起きてきたジンさんがいて。朝から眩しい笑顔を向けられて真っ直ぐに見れない。
いつもきらきらと輝いていて凄いな。その眩しさを直視出来なくて、でも避けるなんてことも出来なくて。居心地の悪さを感じながらも手伝う事を申し出る。
でもジンさんはわたしに大した事させないで、そればかりか上手く会話を続けられないわたしの代わりにいっぱい話してくれて。
でもわたしにとってはそれも苦しくて、結局しっかり受け答えできなかった。
「いっぱい食べて今日の練習も頑張ろうね」
「……はい」
差し出されたトレーにはサラダとスクランブルエッグとスープ、そしてトーストされた食パン。こんなにたくさん朝から食べれない。
でも正直に伝えることは出来ずにおずおずとトレーを受け取って席についた。
もそもそとトーストを食べながらスープで流し込んで、サラダなら食べれるかなとフォークでつつく。
結局時間ばかりが経過してお皿の上は一向に減らない。でもジンさんへの申し訳無さもあってなんとか食べようと口には運ぶ。
スープは無くなってしまって、流し込む事が出来ない。もぐもぐと口を動かしても飲み込むまで出来なくて、辛くて涙が出てきそうだった。
どうしよう、どうしようと思っていたら、他の人達も起き出してきて騒がしくなるリビング。8人には小さいテーブルだからみんな座ればつめつめで。机の上も誰の分か分からないお皿で溢れ返った。
それらをぼーっと見ながらお皿に手を付けずにいれば、気付けばまったく食べていなかったスクランブルエッグと少し残っていたサラダがなくなっていた。
誰かが食べたのだろう。お皿が空になったことにほっとして、そっと流しへと片付けて部屋へと戻った。
「おなかいたい……」
無理やり食べたからなのか。これからのハードな練習が憂鬱だからか。
体調は決して良いとは言えなかったけれど、そんな甘えた事は言えないから、素早く着替えやタオルなど必要な物を準備して騒がしいリビングに戻った。
「忘れ物はないかい?」
「大丈夫、です……」
「うん。今日も練習頑張ろうな」
みんなから離れて立っていたらナムジュンさんが声を掛けてくれて。それがまた申し訳なかった。
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藍(プロフ) - 咲さん» お返事遅くなってしまってすみません。そして不快な思いをさせてしまって申し訳ないです。ただネガティブ設定なのがこのマンネちゃんですので、もし合わないようでしたらこの先はあまりお勧めできません。ここまでお読み頂いてありがとうございました (2021年2月21日 21時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
咲 - 主人公がネガティブすぎてイライラしてきました、、 (2021年2月4日 10時) (レス) id: 13ed79e527 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ちさん» わあ!!ちゃんとこの世界観を保ったままのお話をお届けできて安心しました!わたしもこの2人を書いている時は幸せになります。こちらこそ素敵なお言葉をいつもありがとうございます!そしてお気遣いまで頂いて感謝です。来年もよろしくお願いしますね! (2020年12月31日 9時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
ち(プロフ) - ひさしぶりの可愛い2人を見れて幸せです!この作品、周りのお兄ちゃんたちも優しくて大好きです^_^毎回楽しませてくれてありがとうございます!!これからも藍さんのペースで活動なさってくださいね(*^^*) (2020年12月30日 3時) (レス) id: 7a71588492 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年12月29日 18時