＊56 ページ6
.
それからエントランスに辿り着き、たくさんのカメラとマイクの前で挨拶をして会場の中へと入って行く。
俺はその間Aをエスコートする役を徹底して。今ならいいかと、堂々とAの腰に腕を回して階段を上っていく。
「A、脚大丈夫？」
「ジョングクのおかげで大丈夫。ジョングクこそずっと体重かけてごめんね」
「俺は大丈夫だから気にしないで」
どれだけ見た目はちゃんとしていても、ふとした瞬間にAはふらつきそうになることがあって。それでも表情に出さず凛とした姿で歩くAは綺麗だった。
だから俺も気付かれないように力強く支えてやる。
今日のBTSの主役はAだな。なんてそんなこと思う。
いつもは一番目立たないように隅の方にいるのに。でも消極的なAだからそれでいいと思った。
「あー悔しいけど似合い過ぎて近くに居たくないね」
「テヒョンはAをエスコートできたんだからいいじゃないか」
会場入りして落ち着いた俺達は控室でのんびりしていた。ヒールのせいで動き回れないAは俺の横にちょこんと座って大人しくしていた。
そんな俺達の近くにいたテヒョンイヒョンとジニヒョンがぶつぶつとAを見ながら言っている。
「良かったねA。ジョングクにエスコートしてもらえて」
「ありがとうオッパ」
ホソギヒョンがそうやって言って柔らかく笑えばAも嬉しそうに笑うから。ああ俺だけじゃなくてAも本当は俺が良かったんだなって分かって嬉しくなる。
「でもまだこの後オープニングもそれで歩くんだろう？A大丈夫か？」
「最後まで俺が支えるんで大丈夫です」
ユンギヒョンの言葉にAは不安そうな顔をするけど、俺がすかさずそう言えばジミニヒョン達が囃し立てる。
でも堂々とAの傍に居れてAに触れられるんだからこの役を譲る気も降りる気もなかった。
最後まで全うしてちゃんとAを支える。誰にもやらせない。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1767人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - Yukiさん» わー！こちらまでコメントありがとうございます！わたしも終わらせてしまうのは寂しかったのですが、だらだら続けるのもと思い完結させて頂きました！新作の方も楽しんで頂けているようで嬉しいです (2019年1月27日 20時) (
レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 藍さん！お久しぶりです！完結おめでとうございます！ずっと大好きなお話なので寂しいですが、藍さんの新作のほうも読ませてもらっているので、そちらも楽しませてもらいます！これからも頑張ってください！ (2019年1月27日 16時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - ちなつさん» わあ！こんな長いお話を寝る間も惜しんで読んで下さったなんて感激です。ありがとうございました！お楽しみ頂けて良かったです。今後もそう思って頂けるお話を書きますね！ (2019年1月16日 23時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» 毎回温かいコメントを残して頂いて本当に励みになっていました。こちらこそありがとうございました！胸焼けするほどのあまーいお話をお届けできて良かったです。 (2019年1月16日 23時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
ちなつ(プロフ) - お疲れ様でした！最近見つけたお話だったのですが、面白くて寝る間も惜しんで読んでしまいました(笑) これからも応援しています！ (2019年1月16日 20時) (レス) id: 02f1f486b0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2018年12月20日 21時
