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カランカラン




ジン「お、Aちゃんいらっしゃい」



「お久しぶりですね」




お店に入ると香ってくる、甘い匂いとコーヒーの匂いが混ざったいい匂い





やっぱりここは落ち着く



少しピンク混じりのヨーロッパ風の店内






私はいつものカウンター席に腰を下ろす






ジン「1ヶ月ぶりくらいだよね?」



「はい、9月は何かと忙しくって」





少し模様替えしたのかな?




夏仕様から秋仕様になってる









ジン「はい、いつもの」



「ありがとうございます。さすがソクジンさん!」






このお店を見つけて早2年、ここのオーナーのソクジンさんは私の好みをよく分かってくれてる








ジン「Aちゃんは妹みたいなもんだからね!」




「そう言ってもらえて嬉しいです」









どこかお母さんの様な安心感のあるソクジンさんには、自然と相談事や悩みを話してしまう




ソクジンさんもそれを分かっているのか、どんなに忙しくてもちゃんとあたしの相談に乗ってくれる







「ソクジンさん……」




ジン「ん?」




「今日、あるクラスの男の子に一緒に帰ろって言われました」



ジン「なんと!モテるねーAちゃん」



「いや、そんなんじゃなくて、その人の親友が今日いないからってだけなんですけど」



ジン「それで?そのお誘い断ったの?」





カウンターに肘をつき、ん?と首を傾けてくるソクジンさん


やっぱりいつ見ても、イケメン。






「……まぁ。」




ジン「勿体ないなー。せっかくのチャンスが」





「だからー、ほんとにそんなんじゃないんですって」






そんなあたしの言葉を軽く交わし、新作だというケーキを出してくれた




ジン「これ感想聞かせてね!僕ちょっと仕事してくる」



「はーい」






カウンターの奥に消えていくジンさんを横目に、ケーキを食べながら模様替えした店内を見回しているとなんだか見覚えのある後ろ姿が見えた






「……ん?あれって……」









一生懸命テーブルを拭く彼の方をジーッと見ていると、突然パッとこちらを振り返る









やっぱり。








あー、そういうことか。






だからキム君は今日1人だったってわけね。

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作者名:ゆいチム | 作成日時:2017年3月19日 0時

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