83.紫海蘭(find my feeling) ページ33
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ああ……これじゃあ、またいつもと同じだ。
ホソクとのキスは気持ちい。このまま快楽に溺れたくなった。でもそれじゃあいけない。
そう思ってぐっとホソクと自分の身体の間に手を置いて、彼の胸を押さえる。
「っ……んぁ……ま、って……」
「……っ、だめ……拒否んなって」
それでもホソクの唇は離れなくて、開いた口内に舌が入り込んで無遠慮にかき乱す。吸い付いて舐められて、くらくらして抵抗を止めたくなる。
でも駄目なんだ。このままいつものように流されて快楽に溺れてしまったら、またいつもと同じ。何も変わらない。その時だけ気持ち良くて満足はするけど、残るのは虚しさ。またホソクと自分の曖昧な関係に悩むだけ。
「ほそ、く……っ!ぁ……やぁ、……」
「なに……なんで拒むの。こんなに俺に反応しておいて」
「ちが……ひぁあっ!だ、めだよ……」
必死に拒もうと、止めようとするけど、やっぱりホソクの手は止まらなくて。彼の言う通り、もう身体は簡単に反応して、もっと刺激を得ようとしている。
そんな状態でホソクを止めることなんてできなくて。あっという間に服は脱がされて、肌に手を滑らされた。そのまま駄目だ、待ってと言うわたしの口を塞いで、胸をやわやわと揉まれて刺激された。
「ほら、顔は物欲しそうだし、目は潤んでとろんとしてる」
「んっ……ちがっ……ぁ、やぁ……」
「あいつの前でもそんな顔見せるの?でもフったから見せてない?」
「な、に……?ナムの、こと……?」
「他の男の名前口に出すなよ!」
「ひ、っ……っあ、や、ひあぁっ……!」
さっきまで優しく触っていたのに、突然痛いぐらいに揉まれて、尖端は指で潰すように刺激される。でもそれが気持ち良くて、抵抗していた手はぎゅうっとホソクのシャツを掴むだけになってしまう。
「ほそく……」
「なに。止めないよ?」
小さく笑ってわたしの言葉を押し込むように下から口付けてくる。すぐに舌を絡め取られて、じゅるって音がする程に吸われて脳内がおかしくなりそう。
ああ、もう抵抗なんてできないよ。大好きな人にこんなに快楽を与えられて逃げられるわけない。
気付いたらホソクの手はするすると下に降りていて、太ももを撫でていた。そのままびくびくと震えていれば、脚の付け根をつーっと撫でられて、下着のゴムを引っ掛けられる。
ごくり、と次にくる刺激に息を呑む。でもホソクは意地悪で、わたしの顔を覗き込んで楽しそうに笑った。
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藍(プロフ) - aoi****007さん» コメントありがとうございます!確かにお互い敵意むき出しでしたもんね…くさずぺんの方には申し訳ないことをしました。同じ人を好きになった同士なのでそのうち仲良くなってることを祈ります笑 (2020年5月17日 9時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
aoi****007 - クサズペンなので、喧嘩(?)してるところが、凄く複雑な気持ちだったけど 凄く面白かったです! (2020年5月16日 13時) (レス) id: 3e8c59420d (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 六花さん» 初めまして!ホソクペンの方にそう言って頂けてとても嬉しいです。長編ホソクさんは初めてだったので不安もありまして。わたしの大好きな色気だだ漏れホソクさんを感じ取れたということでしょうか?ありがたいです!懲りずにまたホソクのお話書ければなと思います! (2020年5月15日 0時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - ナムさんとの三角関係も拗れてもどかしくてもう胸がぎゅんぎゅんしました。素敵な作品をありがとうございました。長文失礼致しました。更新お疲れ様でした…! (2020年5月13日 15時) (レス) id: c1142a0fe4 (このIDを非表示/違反報告)
六花(プロフ) - 初めまして。完結おめでとうございます!いつも小説楽しませて頂いております。当方ホソクペンなのですが、不意に出るホソクさんの色気が藍さんの小説でめちゃくちゃに昇華されていて魅力が詰まりすぎていました…! (2020年5月13日 15時) (レス) id: c1142a0fe4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年5月2日 12時