【HS】Datura 2

73.柚子(be deeply in love) ページ23

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「俺、昼食べたら大学行くけどAは？」

「あー……わたしは一度家に戻るね」

「そっか」


起きた時間は結構遅くて、シャワーを浴びたりしていたらあっという間にお昼の時間になってしまった。また大した物がないホソクのキッチンで、2人でインスタントを作って仲良く食べる。

こうしていると本当に最初の頃みたいで。身体だけの関係なんてなくなっていいから、こうやって2人で一緒に居られる関係で居たいなって思う。

それが恋人同士ならいいんだけど、無理だから。だから男女の友人同士でいい。身体の関係があっても会話も殆どなくて、ただするだけなんてやっぱり虚しすぎる。


「今日は俺がバイトなんだよね〜」

「本当にホソクバイト詰まってるね」

「まじで。めっちゃ稼げちゃう」

「早く忙しいの解消されるといいね」

「うん、そしたら遊びに行けるのにな〜」


ねぇそれは彼女と？それともこの前みたいにわたしたちと出掛けてくれるの？後者だったらいいなって思うけれど、そこまでは聞けなかった。

やっぱりわたしからじゃ何も行動できない。でも一歩踏み出したら何かが変わる？この関係ですら終わってしまう？


「はーい、準備は出来ましたか」

「うん。ありがとう」

「いいのいいの。俺も悪いし」


狭い玄関に2人でいるから、靴を履くたびにお互いの身体がぶつかる。それに笑い合って、ふざけて。そのままホソクは軽くわたしにキスなんてしてくるから。

ねぇやっぱりわたし達って恋人同士になれるんじゃないのなんて。淡い期待を抱いてしまう。


「じゃあまた、夜な」

「うん、ばいばい」


夜に会う約束。その中身はいつも通りの内容だけど。でもこうやって朝まで一緒に居て、2人で家を出てまた会う約束をするなんて。やっぱりこのまま関係が発展してもいいんじゃないか。

本当にホソクはどう思ってるのかな。わたし以外にもそんな思わせぶりな態度取ってるの？彼女以外も家に連れ込んでる？

でも、ほぼ毎日わたしはホソクと会ってるわけだし。絶対に彼女よりわたしの方がホソクと居る時間長いよね。彼女と別れてわたしと付き合ってと言ってもいいんだろうか。

怖いのは本命の彼女じゃないポジションだから、こうやって傍に居られるかもしれないということ。

そんなこと言った途端、ホソクから切られてしまったら嫌だし。わたしに彼氏がいないと分かれば面白くないと思われてしまうかもしれない。

やっぱり偽りのままの関係の方がいいのかな。


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