貴女しか要らない II

Monologue ページ35

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肌を 撫でる















雪みたいに真っ白な肌に

紅い花が咲く




綺麗な、綺麗な 花びらたち







貴女の赤い頬


上ずった声、触れたら揺れる 身体





俺を見上げて


くすぐったそうに 笑う





俺の髪を撫でて


俺の肩に触れて



俺の頬にキスして


はにかんだように 笑って


俺の指と 貴女の指を 絡める





貴女を抱きしめて



羽根のような腕の中で


貴女だけを暖めるんだ







貴女は俺の、唇を

そして、口元のほくろを


愛おしそうに、撫でて 口づけて





そんな貴女の瞳に キスをして


貴女のことを 愛で満たしていく







貴女のなかで


深く、深く



心も、身体も、超えて




貴女と 繋がって







貴女が笑う


幸せそうに





…俺も、幸せだ









貴女が笑うから


俺も笑うんだ




貴女が泣くから


俺も泣くんだ








だけど、もう


あの頃の、弱い俺じゃない



…その代わり、もう 可愛くも チビでも、ないけどね



だけど貴女は





今の俺がいい、と




俺の髪を撫でて また微笑むんだ









そして、俺も


“いま”の貴女を 真っ直ぐに見つめてる












一面の、銀世界



ふわふわの雪の中で 貴女を抱きしめて


もう二度と、離さない









俺を愛してる？






そう、訊けば



貴女は 笑って



…心の底から、嬉しそうに笑って












愛してる














…目をくしゃくしゃにする







ねえ


何も いらないから



もう少しだけ、感じていたい




その心を、その愛を


…その温もりを












…ごめん



少しだけ、嘘をついた





“何もいらない”なんて










貴女の頬を撫でて


愛しさが胸にこみ上げる







…ああ、ここに誓うよ









いつまでも、溶けることない



この世界に降り注ぎ続ける、雪に




誓おう












貴女しか、要らない




そして、貴女だけを、愛している















…Aヌナは？










そう尋ねると、



貴女は 俺の前髪に付いた雪を ほろって




天使のように、微笑んで






こう言ったんだ



























うん、






あなたしか いらない。









































「貴女しか要らない」





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