【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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グクに振られてからもう１ヶ月が経とうとしていた。
今でも、グクのことは好きだと思う。
だけどズルズルと恋愛のことだけを考えている暇もなく。実習で、記録に追われたり、レポートを書くのに必死になっていたら、不思議と辛い気持ちなんて軽くなっていた。……意外と、こんなもんなのか。人の心って単純だな。


「レポートどうだった？」

『どうだったもなにも、徹夜だし、バイトも入れてたから一日クオリティだよ。』

「同じく。授業寝そう。」

『寝ちゃダメ……』

「って、言ってるそばから寝そうじゃん(笑)」

『だって、』

「……吹っ切れたとまではいかないだろうけど、だいぶん前よりも元気そうでよかったよ」


グクのこと。
多分、一番心配してくれて、一番私のために泣いてくれたのはヘヨンだから。
そんな友達がいて、わたしは幸せ者だ。


『もっといい人、探そうと思う』

「……ジョングクよりいい人なんて、そんなのいっぱいいるよ！」

『へへ、そうだね』

「誰がいい？これがジスクくんで〜これがセヨンくん！かっこいいでしょ〜！！」

『ヘヨンはどこから繋がってくんの、そんなの(笑)』

「うふふ、ひみつ」

『こわいこわい！』


グクよりいい人は、きっと沢山いるんだろうけど、わたしが、グクよりも好きになれる人なんて出来るのかな。
そんな気持ちは隠して、何もかも思い出さないようにした。


あんな、最後の日に抱きしめられたことなんて、聞こえるか聞こえないかの声で「ごめん」って言われたことなんて、もう、忘れるんだから。




セミがうるさい、そんな時期だった。



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