【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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「……俺と付き合う前じゃん！ていうかこれでどんだけ経ってると思ってんの！」

『さんかげつ？』

「ばか」

『馬鹿って、計算違ってる？』

「あー、だからさあ、なんでおれにいわなかったの？つきまとわれてるって。」

『だって、』

……わたしたちの関係は、変だから
言う必要もないと思ったの。


「……こわくなかったの？ずっと一人でかかえてて。」



怖かった、よ。
そんなの怖いし、キモいし、
やだって思ってたよ。



『別に、』



なんだろう。
グクの前では弱い自分を見せたくないって思った。




「……ほんとに？」

『うん』

『そう言えば、電話のひと、大丈夫なの？』

「ああ」

『急用っぽかったけど、行かなくていいの？』

「……それはAの本心？」


すこし睨んだように言われる。
目が合わせられない。



「……Aがそんなんだと、おれ、ほんとに行くよ」



『……行っておいでよ』




最愛の、先輩のところへ。




「……あっそ」



そう言って、グクはわたしに背を向けて歩き出した。









…………やだ









『っグク！！！！』



その、後ろ姿がゆっくりとこちらを向く。





『グク、こわい』

『………………行かないで』





自動車の音にかき消されるか消されないかの声だった。




グクは、そんな私を見て
優しく、やわらかく、微笑んだ。









ごめんなさい。

わたし、きみのこと、
好きになっちゃったみたいだ。








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