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テテくんは、そのまま、ただわたしの隣にいてくれた。たまに鼻歌を口ずさんでて、その歌は何かと聞けば、鉛筆の歌だとか、大根の歌だとか言うから、よくわからなくて、わたしはテテくんの鼻歌を聴きながらすべり台の下で時間が流れるのを待った。
「なんで今は家に帰りたくないの？」
クジラの歌を歌い終えたテテくんが、優しく尋ねる。いつもなら、少ししたらここを出て家に戻るのに、長くここにいる私を不思議に思ったんだろう。
『……お姉ちゃんの、彼氏が来てるの。うちに。』
鳥の鳴き声が聞こえ出す。
もう日暮れ時か。
「ミンジの彼氏？」
『……お邪魔かなあって』
「でも別に今までミンジの彼氏とか家に来て一緒にごはん食べたりしてたんじゃないの」
そうだった。
でも、今回ばかりはだめなの。
『…………いやなの』
「え？」
『グクが、お姉ちゃんと一緒にいるとこ、見たくない、』
「A」
『……へんだよね。わらっちゃうよね。私、お姉ちゃんとおなじ人がすきなの。』
痛い。こんなの、いっそ笑い飛ばしてよ。
冷え切って、凍らせて、痛みなんか感じないようにさせてよ。
『……グクは、ずっとお姉ちゃんのことがだいすきだったの』
『はは。へん、だよね。好きなひとが好きなひとと付き合えたのに、痛くて、視界にも入れたくないし、祝えない。』
『グクがお姉ちゃんと何してるかなんて、想像もしたくない』
『……テテくんはよくわたしに優しくていい子だって言うでしょう？』
『ほんとはちがうの。超イヤな子なの。』
『もっと、いい子でいたかった……』
生きるのって難しいね。何もかもうまくいかないや。
膝に顔を埋めて少しだけ泣いてしまう。
顔を上げて、目をごしごし擦って涙を拭いていると、あたたかさに包まれた。
テテくんが私を抱きしめている。
「泣くのガマンしちゃだめ」
『……テテくん』
「おれしかいないのに、泣くのガマンしないで」
『でも、』
「泣き虫なAのままでいいの。イヤな子だったとしても、ずっと、そのままで、なにも頑張らなくていいんだよ。」
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月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係？みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (
レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています！ (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます！続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます！映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります！ (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます！また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月野
| 作成日時：2018年3月23日 20時
