13 ページ13
・
数時間考えて、決めた。
あの人は突き放そうと思った。
もう関わらないでほしい。もう、なにも期待を持たないでほしい。
『ごめん、無理。』
そう、送ると。
すぐに返事が来る。
「じゃーおいしいもんでも食べに行こうよ!おごるからさー」
すぐに返信出来るなんて、よほど暇人なのか。
『それも、無理だと思う。』
『ていうか、私たちいまからどうこうなるとかないと思う。』
送信すると、しばらくして着信音が流れてきた。
相手はもちろんいまLINEしていたひと。
出る?
出ない?
すこしだけ、怖い
だけどなにも進まないよりもマシだ。
『……もしもし』
「…………どういうことだよ」
低くて太い声。
ひさしぶりに聞いたその声は、前とは変わったような気がした。
『久しぶり。どういうことって?』
「……なんで無理なんだよ!」
相手は電話をかけてくるくらいだから、
相当怒っている様子。
『……だって、私きみのこと好きじゃないもん。』
「そ、そんなのこれから好きになるかもしれないだろ!」
『……ほんとにないよ、私いま彼氏いるし』
出来るだけ平然を装って、淡々と話す。
「は?そんなの知らないんだけど。だって平日とか会ってる様子もないじゃん」
『……君が知ってる方が変だし、大体会うの土日だし、』
きみはわたしの何なんだよ。
『そもそもさあ、放課後、私のこと声もかけずに見張ってるのバレてるからね。これ以上つきまとわないで』
隣の席のミジュちゃんがびっくりして私を見てる。
あ、ここ教室なんだった。
思わずカッとしちゃった。
「…………彼氏見るまで諦めねーから」
『……見せないとダメなの?』
私きみに会いたくないんだけど。
「あたりめーだろ」
『……いいけど、見たら諦めてくれる?それともう近づかないで。』
「……わかった。言っとくけど彼氏のフリとか連れてきたらぶっころ す 」
『……うん』
あながち、フリと言っても間違いじゃないか。
『……グク、今日ちょっと時間ある?』
ゲームのハートが送られてきていたその下に、
送信した。
いつも先輩を演じてるんだから、
今日くらい私の頼みを聞いてくれる?
・
1659人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月野(プロフ) - ふゆさん» ありがとうございます。ドキドキハラハラ四角関係?みたいなのとはすこし違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです(^_^) (2018年11月17日 12時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
ふゆ - テテくんの登場にドキドキです。続き楽しみにしています! (2018年11月10日 14時) (レス) id: 8d7e35afef (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - 里珠さん» 読んでくださりありがとうございます!続き書くの遅くて申し訳ないです…できるだけ頑張ります〜! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - もぐらさん» 読んでくださりありがとうございます!映画やドラマだなんて恐れ多いですがとても嬉しいです。また更新頑張ります! (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
月野(プロフ) - (名前)レンさん» いつもコメントありがとうございます!また更新頑張りたいとおもいます(^_^) (2018年10月23日 16時) (レス) id: a5e5b03616 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月野 | 作成日時:2018年3月23日 20時