【完】ニセモノの恋をはじめましょう JK

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グクとは普通のカップルみたいだった。
休日お互いバイトがない時にご飯にいったり、観たい映画を観たりだとか。
まだ、お互いの家に行ったことは無いけど。

誘われもしないから、私も誘わない。

お互い好きではないから付き合っているとはいっても距離は自然と生まれてしまうものだった。



最近は、私に対して慣れてきたのか、なんなのか知らないけれど、
前みたいな瞳をしなくなった。

変に惨めにならなくて済むからありがたいけれど、

私は、いつ「やっぱり違った」などと言われるのかな、なんて考えていた。




だけどそれでは困るのだ。



グクは、短い間でも先輩と付き合えた気分になれて良かったのかもしれないけれど、

私の方はなにも解決していないから。





『はあ、まただ』





[３件の新着メッセージがあります]



スマホに表示されたメッセージ。

グクは、頻繁にLINEをするタイプでもないから、違う。だって最後のやりとりは「ジョングク さんから〜〜プレイのハートが届きました！いますぐ確認しよう！」だし。


仕方なくメールのアプリを開くと、
ほら、またあのひと。





「A」

「最近なにしてる？」

「やっぱ看護って忙しいのー？」



適当にスタンプとかで返してるのに、このザマ。
ていうか。
なんでわたしの進路知ってるわけ？
教えてないよね。

なんだろう、このすこーしだけ気持ち悪いの。

別に、脅してくるとか、写真を撮られるとか、テレビとかに出てくるそういう次元の話だったらすぐさま警察にでも言ったりするんだけどさ。


法律ギリギリセーフみたいな？
いや、ストーカー法のホニャララなんて知らないんだけどね。








「じゃあ今日は相対性理論の話をチラッとしようかな」


講師がスライドを提示しながら、話し始める。
考え事してたから聞いてなかったや、危ない危ない。


「人間と人間の関係がこういう1本の線であるとしますよね。」


シャープペンシルを手に取って、
レジュメに少し書き加えながら話を聞く。




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