061. お菓子男子がやってくる ページ42
.
「ま、まぁ！……なんて綺麗なドレスなの！」
「これで舞踏会にいけるね。楽しんでおいで……ただし、約束がある。夜中の12時までに戻っておいで。12時になったら魔法はとけてしまうからね……」
「はい、ありがとうございます」
今は2回目の演劇の練習中だった。前のように机を後ろに寄せて、台本片手にセリフを言っているのを他の人達は周りに座って聴いている。
あれから毎日のように朝早く学校に来ては練習を繰り返していたから、ミンジも大分流れは掴めたみたい。前より詰まることなく自分の番でセリフが言えていた。
でもわたしはその様子を喜ぶ訳でもなく無表情で見ていた。
頑張っているのは分かるし、大変だとは思うけれど。それよりも自分のストレスが溜まる一方で、ミンジがセリフを言っているのを聞くのも嫌な感じだ。
演技と言えど、シンデレラと王子様のシーンなんてやっぱり辛いし。テテは演技の素質でもあるのか、回を重ねる毎にどんどんそれっぽくなっていて、本当に王子様だし。
そんな2人の様子を見せられているわたしは最悪だ。
「台本見ながらだし、スムーズに最後までいけたね！じゃあ次は出来る人は台本なしで。台本見ながらでも感情込めたり、身振り手振り入れたり動きもつけてみよ」
やっぱりリーダーは容赦なくて、一通り最後まで通したら、まだ練習2回目だというのにもう台本無しで通そうとしていた。
それでもセリフが少ない人はもう覚えてしまったのか台本を置いていて、もちろん毎朝練習しているテテもセリフは完璧で台本を置いていた。
「ストップ！ミンジちゃん、いくら台本読みながらだとしても棒読み過ぎじゃない？もっと感情込めて」
「ご、ごめんなさい……」
「気持ち込めて読めばセリフも覚えられるんじゃない？」
「流石に台本見過ぎでしょ。もうちょっと覚えなきゃ」
リーダーがミンジのセリフを遮る様に止めたと思ったら、他の子達も強めに注意してて、困った顔をしていた。あんなに言われるなんて辛いな、なんて思いながらも他人事で、ただぼーっと見ていただけだったのだけれど。
「そんなにいっぺんに求めなくてもいいんじゃない？まだ練習2回目だし」
何度も謝るミンジを庇う様にテテが前に出て来て優しく皆んなに話し始めた。
「前回に比べたら十分台本読み込めてるでしょ？演技はこれからなんだから、少しずつやっていけばいいと俺は思うよ。ミンジちゃん頑張ってるんだし」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 945人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
藍(プロフ) - みき(マルクル)さん» いやー本当に！テテの鈍さにやきもきしますね！（書いてるのわたし）その間にユンギ先輩がまた動き出しちゃいました笑 さてさてどうなるんでしょうか。7章公開しましたのでお楽しみ下さい〜 (2020年11月21日 15時) (
レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
みき(マルクル)(プロフ) - テテ！もー鈍感すぎ！ヒロインちゃんの気持ちわかってなさそうでモヤモヤします〜もう！ミンジちゃんみたいに、害のなさそうな子が一番危ないんですよ〜！涙 ユンギさんやグクにリードされて、ちょっとくらい焦って欲しいです。涙 (2020年11月21日 8時) (レス) id: e01596ba5d (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - あいづちさん» そんなそんな！ナンバーワンなんて！！ありがとうございます！感激しております。わたしの心配までありがとうございます。引き続き頑張ります！あいづち様も体調にお気を付けくださいね (2020年11月17日 17時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - めるたさん» このシンデレラがどうなっていくのか…まだまだ学祭の準備は始まったばっかりですので見守っていて下さい。そして暫くは夏休みを楽しみましょう。ユンギ先輩も動きますので笑 (2020年11月17日 17時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - スヨンさん» 読んで下さってありがとうございます！本当にそれな！です。テテには頑張ってもらいつつ、ユンギ先輩や他のメンバーにも惑わされ続けたいですね笑 引き続き頑張りますのでよろしくお願いしますね (2020年11月17日 17時) (レス) id: 66eaabbd56 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：藍
| 作成日時：2020年10月18日 13時
