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「想いを告げることが逆にAちゃんのことを意識するきっかけになるかもしれない。それは分かんないけどね」
「そう……ですね」
「どちらにしろ怖いよね。だからいっそうのこと他に目を向けて見るとか!」
「それは……嫌です」
「嫌なの?」
わたしの返事に笑うけれど、でも嫌だった。だってどう頑張ったってテテのことを飽きられきれないから。
「テテ以上の想いを抱ける人が居ません」
「言い切るね〜まだ出会ってないだけかもしれないし、これから更に強く想えるようになるかもしれないのに」
「でも……今は考えられないんです」
確かにまだ10年ちょとしか生きてないのに、もう一生ものの人に会えたなんて考えるのはおかしいのかもしれない。
でもわたしは違うんだ。
ずっとずっとテテを想い続け記憶がある。もう好きじゃないって誤魔化していても、結局想いは消えなくて。最後は苦しくて辛くて泣き続けるとしかできなかった。
忘れられたら良かった。他の人を好きになれたら良かった。
でも出来なかったっていう想いがあるから。だからきっと、わたしはテテじゃないとだめなんだ。
「そこまで言わせるテヒョンも凄いね。でもAちゃんの気持ちには何にも気付いてないなんて、罪な男だね〜」
「重い、ですよね」
「いや?俺はいいと思うよ。俺だったらそんなに想ってくれたら嬉しい。俺も一生愛して、その想いに応えたいと思うもん」
ふんわりと優しい微笑んで言うホソク先輩は凄い温かくて。ああ、ホソク先輩に愛される人は幸せ者だなって思った。
「試しに俺に気持ちを向けてみてもいいんだよ?」
「え……?」
距離を縮められて、顔を覗き込むように言われて、どきりと心臓が音を立てた。
真っ直ぐにわたしを見る目から冗談には思えなくて。思わずその瞳を見つめ返してしまう。
周りには沢山の人が居て騒がしい筈なのに、わたしとホソク先輩の周りだけ壁があるみたいに音が何も聞こえなくなった。ただどきどきと音を立てる心臓の響きだけが占めて息を呑むことしかできない。
「あ、A〜こんなところにいた!あ、アイス?俺も食べたい!」
「テテ……」
タイミングがいいのか悪いのか。わたし達2人だけだった空間に、大好きな声が響いて現実に戻ってきた感じ。肩に腕を回され、アイスアイスと連呼されるからホソク先輩がその後なんて言ったのかは分からなかった。
でも少しほっとしたのは事実。
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藍(プロフ) - ringo3さん» お返事遅くなってしまってごめんなさい!まだまだ終わりが見えないお話なので、そう言って下さってほっとしてます。当分終わりませんのでお付き合い下さいませ。そしてユンギ先輩のメイド姿のお話まできました〜可愛いく仕上がってるといいのですが! (2020年6月25日 3時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
ringo3(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしています!めっちゃなっがーいお話読み応えあって大好きです!w最近特にゆんぎがかわいくてしょうがなくてwwwゆんぎのメイド姿に期待してますね〜! (2020年6月20日 22時) (レス) id: 0915cfb15f (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» あっという間の100話でした。ユンギ先輩のメイド話はしっかりと書きますので!!笑 次回からは学祭のお話がメインになりますので、お楽しみ下さいませ! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - bonbonsさん» ナムさんが推しだったのですね〜お待たせ致しました!みんな素敵ですか?嬉しいです。彼らと過ごしたい理想の青春を詰め込んだお話になっておりますので、そう仰ってくれるのが本当に嬉しいです。これからもきらきら輝く彼らをお届けできたらと思います!! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 100話お疲れ様でした!ユンギのメイドなんて絶対可愛いですよね!このお話も読めるのかなぁと思うと楽しみです! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 9241d89c9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年5月30日 15時