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「えいっ!」
「おまっ……」
パシャっと音を立てて、ユンギ先輩に水が掛かる。それにふふふと笑えば、先輩は無言で靴を脱いで靴下も脱いで、Gパンを捲り上げてわたしに近付いてきた。
「俺にかけたこと後悔すんなよ」
「ぎゃあ!」
バシャバシャと音を立てて海に足をつけてきて、そのまま蹴り上げてわたしに水を掛けてくるから可愛くない悲鳴が上がる。
反撃しようとわたしも真似して脚を蹴り上げるけど、うまく掛からなくて。その間も容赦なくバシャバシャと水飛沫が上がって冷たい。
「ちょっと、待ってください!!」
「お前から始めたんだろ」
悪い顔して尚も近付いて水を掛けてくるから、必死に逃げる。でもユンギ先輩に敵うわけなくて。もう反撃するのも忘れてただ逃げてた。
「っ、はぁ……ちょっと、休憩しませんか?」
「もうバテたのかよ」
笑いながら言うもののユンギ先輩は攻撃の手を止めない。もう意地悪!
なんとかわたしも反撃をと思って、思いっきり水をかけようとするんだけれど、砂に足が取られてそのままバランスを崩す。
「わっ……!」
「おいっ!」
海の中に倒れ込むと思って、咄嗟に目を瞑る。
でも想像していた冷たさや、水の音はしなくて。代わりに生暖かい温もりを身体に感じた。
「あっぶねぇな」
どうやらユンギ先輩が身体を支えてくれたみたいで、わたしは抱きとめられていた。
「流石にずぶ濡れの奴は乗せたくないぞ」
「ご、ごめんなさい……」
呆れたように言うユンギ先輩を見上げれば思ったよりも近くて、思わずまた下を向いてしまう。
でも目の前の胸板から僅かに香る石鹸の香りと、薄いTシャツ越しから伝わる熱に余計に恥ずかしなる。
背中に回された腕は思っていた以上に逞しくて。
見た目線が細くて、肌も真っ白で病的な感じなのに、触れればしっかりとしていて男の人なんだなって意識してしまって、心臓が大きく脈を打つ。
このままだとその煩い音が聞こえてしまいそうだった。
「座ってのんびりするか?あんまりはしゃぐとまた転ぶぞ」
「あ……はい……」
ユンギ先輩はいつも通りで、わたしに優しく微笑んで腕を離した。
でもそのまま今度は肩を抱かれて、引っ張られるように歩き始めるから慌ててついていく。
どうしよう。
さっきからどきどきがおさまらない。
触れられているところがすごく熱くて、溶けてしまいそうだった。
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藍(プロフ) - ringo3さん» お返事遅くなってしまってごめんなさい!まだまだ終わりが見えないお話なので、そう言って下さってほっとしてます。当分終わりませんのでお付き合い下さいませ。そしてユンギ先輩のメイド姿のお話まできました〜可愛いく仕上がってるといいのですが! (2020年6月25日 3時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
ringo3(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしています!めっちゃなっがーいお話読み応えあって大好きです!w最近特にゆんぎがかわいくてしょうがなくてwwwゆんぎのメイド姿に期待してますね〜! (2020年6月20日 22時) (レス) id: 0915cfb15f (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» あっという間の100話でした。ユンギ先輩のメイド話はしっかりと書きますので!!笑 次回からは学祭のお話がメインになりますので、お楽しみ下さいませ! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - bonbonsさん» ナムさんが推しだったのですね〜お待たせ致しました!みんな素敵ですか?嬉しいです。彼らと過ごしたい理想の青春を詰め込んだお話になっておりますので、そう仰ってくれるのが本当に嬉しいです。これからもきらきら輝く彼らをお届けできたらと思います!! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 100話お疲れ様でした!ユンギのメイドなんて絶対可愛いですよね!このお話も読めるのかなぁと思うと楽しみです! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 9241d89c9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年5月30日 15時