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ユンギ先輩の言葉に慌てて手を放して降りようとするんだけど。
乗せてもらったのに上手に降りれるわけなくて。ずり落ちるように地面に降り立てば、めっちゃ笑われた。
「ユンギ先輩、バイクなんて持ってたんですね」
「兄貴のだけどな。乗ってたの見て俺も乗りたくて、免許取れるようになったら即取った」
「そうだったんですね。もうしっかり乗りこなせてますね」
「たまに夜中に走りに行ったりしてるからな」
「補導されないように気を付けて下さいね」
「一度もねぇよ」
ユンギ先輩はヘルメットを取って、わたしのヘルメットと一緒にしまい、鞄を渡してくれた。
「あ、お菓子ちゃんと作ってきましたよ!」
「サンキュー。あとで貰うわ。とりあえず行くぞ」
「そういえばここどこですか?」
「まぁ、行けば分かる」
駐車場にいるので結局目的地がどこなのか分かっていない。
最後まで教えてくれないみたいで、そのまま先輩は歩き出してしまったから大人しく後をついていく。
歩いて行けばすぐに視界が開けて。そして目の前にはきらきらと輝く青が見えてきた。
「わっ!海だ!!」
まさか海に来ていたとは思わなかった。確かに少し走らせれば海があるけれど。ここは遊泳できないから来たことなんて殆どなかった。
久しぶりの海に嬉しくなって、のんびり歩いているユンギ先輩を置いて先に駆ける。そのまま砂浜を突っ切って海まで向かった。
「ユンギ先輩タオルとか持ってますか?」
「何にも持ってきてない」
「えー水に足付けてもいいですか?」
「別にサンダルだろ?お前が気にしないならいいんじゃねぇの?」
「砂まみれになった足でバイクに乗ってもいいですか?」
「気にすんな」
気にしていない様子のユンギ先輩に嬉しくなって、鞄を置きサンダルを脱いでパンツの裾を織り込んで水の足をつける。
「わー冷たい!気持ちいい!」
「そんなはしゃぐとは思わなかったわ」
「だって久しぶりの海だから。ユンギ先輩ありがとうございます!」
嬉しくて、きっとわたしは今めちゃくちゃ笑顔なんだろうな。
ユンギ先輩はわたしのそんな様子を見て優しく笑うから、何だかどきりとしてしまった。
それを誤魔化すようにユンギ先輩の腕を引っ張る。
「ユンギ先輩も水に足つけましょうよ」
「俺はいいよ。靴だし」
「せっかく来たんですよ」
拗ねてみてもユンギ先輩は動こうとしなかった。だから手を離して、水を掬う。
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藍(プロフ) - ringo3さん» お返事遅くなってしまってごめんなさい!まだまだ終わりが見えないお話なので、そう言って下さってほっとしてます。当分終わりませんのでお付き合い下さいませ。そしてユンギ先輩のメイド姿のお話まできました〜可愛いく仕上がってるといいのですが! (2020年6月25日 3時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
ringo3(プロフ) - はじめまして!いつも更新楽しみにしています!めっちゃなっがーいお話読み応えあって大好きです!w最近特にゆんぎがかわいくてしょうがなくてwwwゆんぎのメイド姿に期待してますね〜! (2020年6月20日 22時) (レス) id: 0915cfb15f (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - みきさん» あっという間の100話でした。ユンギ先輩のメイド話はしっかりと書きますので!!笑 次回からは学祭のお話がメインになりますので、お楽しみ下さいませ! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - bonbonsさん» ナムさんが推しだったのですね〜お待たせ致しました!みんな素敵ですか?嬉しいです。彼らと過ごしたい理想の青春を詰め込んだお話になっておりますので、そう仰ってくれるのが本当に嬉しいです。これからもきらきら輝く彼らをお届けできたらと思います!! (2020年6月16日 20時) (レス) id: 7c0b28e720 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 100話お疲れ様でした!ユンギのメイドなんて絶対可愛いですよね!このお話も読めるのかなぁと思うと楽しみです! (2020年6月15日 5時) (レス) id: 9241d89c9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2020年5月30日 15時