【BTS】赤い糸を手繰り寄せて 2

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「これで最後かな」


レンタルできるのはDVDだけではなくて、CDや漫画もあって。あ、この漫画続き気になってんだよねとか読みたくなったりして誘惑に負けそうだった。そしてこれだけ大量に扱ってると本当に棚の位置を覚えるのが大変だ。

このレンタル屋さんってこんなに大きかったっけ。小学生の時の記憶しかないから曖昧だけど。



「げ……嘘でしょ」


最後のDVDの山を掴んで歩きながら中身を確認しようとしたら、思わずそんな声が漏れて、落としそうになった。危ない危ない。

そしてはっとして、周りを見回す。

良かった誰にも見られていない。いくら片付けているだけだとしても、これを持っているところを他人に見られるのは嫌だ。

くそう。あのおじさん、気を遣ってくれてもいいのに。こんなDVDをわたしに片付けさせないでよね。

わたしの手の中にあるのは所謂えろDVD。あられもない姿のおねーさんがどーんとパッケージの真ん中に写っている。

こんなうら若き純粋な女子高生なこんな生々しいものを片付けさせるなんて！

ただわたしは純粋な女子高生じゃないからね！一度は社会人まで経験してるんだから。ぎょっとはしたし、やらなくていいならやりたくないけど。でも成人スペースに入るのに抵抗はない！と思う！

そもそもこういうDVDってどういう順番に置いてあるんだろう？これもタイトル順にいいのかな？ジャンル別とかだと分からないんだけど。ジャンルって何。巨乳とか？え、本当に謎。

成人スペースのカーテンの前で悩む。入ってから迷うのも嫌だしなあ。でも入らないとどうなってるのか分からない。いいや！こっちは仕事なんだから。

そう思って入ろうとしたら……


「お前、こんなとこで何やってんだ？」

「え……？」

「あ？そのエプロン、」

「ゆ、ゆんぎせんぱい……」


えっちなDVDに怖気付いてたまるか！って思ってたけど、やっぱりちょっと抵抗がある。その上まさか知り合いに見れるなんて！しかもユンギ先輩！！

ショックと驚きで持っていたDVDが手からばらばらと落ちていく。最悪だ。

そしてなんでユンギ先輩がここにいるの？もしかして先輩はえっちなDVD借りに来たの？意外とむっつりだったの？ネットでは見ない派？レンタル派なの？

パニック過ぎてどうでもいいことが頭を過りまくる。


「今日から入った学生バイトってお前だったんだ？」

「え……？」

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