【BTS】赤い糸を手繰り寄せて 2

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「初めまして。今日から働かせてもらうことになったナムAです」

「ああ、初めまして。店長に何か言われてるの？」

「棚を整理をしてって言われました」

「じゃあこれ、返却されたのも片付けてもらっていい？新作のシールが貼ってあるのは手前の棚。それ以外はジャンルごとに名前順で並んでるから。慣れるまでは片付けるの大変だと思うけど、覚えるためにも何度もした方がいいと思うから」

「分かりました」


場所を教えてはくれないのねって思ったけど、笑顔で受け答えしておく。まあお客さん対応はこのおじさんがしてくれるだろうし。

いっぺんには運べないので抱えれるだけ持って行く。全部新作のシールが貼ってあるから手前の棚ね。

あ、これもうレンタル始まったんだ。なんてタイトルを見てしまうといろいろ気になって、なかなか進まない。そして場所を探すのも苦労する。

そういえばわたしに仕事を教えてくれる学生アルバイトさんはまだシフト入ってないのかな。同い年ではない感じ？もしかしたら大学生の可能性もあるし。できれば女の人のがいいな〜





黙々と片付けを続けていたら、奥の中古売り場のスペースが見えるとこまできていた。


「は……？何ごと？」


何でこの喧騒が聞こえなかったのだろうって思うけど。レンタルスペースは広いけど、それにしても気付かないとか、自分にびっくり。

中古売り場スペースは言うならば、戦場みたいだった。

レンタルスペースととは比べ物にならないほどの人、人、人。我先に買おうと押しのけて前に進む者、かごいっぱいに商品を詰めまくってる人、目的のものが見つからないのかひたすらワゴンを焦ってる者……それぞれだった。

え、中古品ってこんな群がるものなの？なんか掘り出し物でも売ってるの？このお店は。



唖然として異様な光景を見ていたらあることに気付く。みんなが求めているのはゲームだ。

もしかして入手困難な物とか？あと、なにやらカードも大量にかごに入れてる人も結構いる。そういえば学校でもカードゲームの対戦が流行ってるな〜

それにしてもここまで群がって撮り合いするようなものなのだろうか。よく分からない。

でも確かにこれだけの人が押しかけてくるなら、オープン間近は大変だ。わたしはレンタル担当でいいや。片付けも大変だけど、あのおじさんが言ってた通り何度かやっていれば覚えるだろう。


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