レッテル女。2【SG】

レッテル 94 ページ44

.

YG side


Aは笑った。



そっかー、こんな感じでバレちゃうかー

なんて言って。



クソみたいな元マネージャーの言うことなんて信じたくもないけど、どうやらこれは本当みたいだ。



JK｢虐待の…内容も…？｣

肉体的、精神的、経済的…そして、


TH｢父さんに…襲われた…｣

女の子として1番辛い虐待を。



知られたくなかっただろうに。

心にも身体にも一生消えない傷を負わされて、思い出したくもなかっただろうに。

強くならなきゃいけない、そう言っていた意味がようやく分かった。



｢もーそんなにしんみりしないで？ごめんね、なんか！みんなの事務所に移動したばっかでこんなに問題になって。｣

JH｢そんな事なんでAが謝るの…｣

｢また迷惑かけちゃうからさ｣

JM｢迷惑なんて、そんな事思ってないよ…｣



Aは、メンバーが悲しそうにしていると、めちゃくちゃおどけてみせる。いつもそうだ。



YG｢…来い｣

｢うわ！｣


細い手首掴んで、再び俺の部屋に連れ込む。



｢…ユンちゃんごめんね！あのさ、ああ言ってくれたけど、さっきの記事本当でね！ほら、私めちゃくちゃ汚れてるから…さ…｣


笑ってんのに…すげー泣いてる。

涙ぽろぽろ流して。




YG｢…こっち来い。｣


｢…行かないっ｣




手招きしても首を振る。







YG｢A…おいで。｣


優しく、両手を広げれば





｢…ｯ、ユンちゃん…ｯ｣


俺の腕の中に飛び込んでくる。






そんなお前が、愛おしい。



.

レッテル 95→←レッテル 93

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す