コンビニの店員はBTSを知らない (ページ7)

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・ページ7

彼の名前、Aって言うんだ

さっそく皆に報告しないと

〜カトク〜

ジョングク名前、判明しました

するとすぐに既読が着く

ジミン教えて
ジンおお!
ジョングクAって名前らしいです

そして次々と会話が送られてくるが無視をして携帯をポケットに入れた

まだ、連絡先を知っていることは僕とヒョンの秘密にしておこう

｢教えてくれてありがとうございます。しかしこの事は他言無用でお願いします｣

そう言うと男の店員さんはニコリと笑った

｢もちろんですよ！それにAがいる時にだけ来るおかげで貴方達がよく来てることを知っているのは俺だけですし｣

確かに、深夜帯は人がとても少ない。
だからこの場所で声を掛けられた事は1度もなかった

そうして、ヒョンとコンビニを出る

スマホを開いて友達欄を見ると彼の名前がそこにあり自然と口が緩んだ

｢グガ、早く教えてよ｣

ヒョンがスマホを僕の方に向けて言った

Aにメッセージを送って、ヒョンに連絡先を教える。ヒョンも嬉しそうに笑った

｢この事は、まだヒョン達には内緒にしよう｣

｢僕も同じ事考えてました｣

少しの間だけ、彼を二人で独占する

ヒョンは何を送ろうか、迷っているようだ

すると通知が鳴った

｢…っ！｣

彼からだった

Aヒョヌから聞きました。Aです

淡白な文だけど、彼が僕のためにメッセージを考えてくれたと思うと、とても嬉しい

ジョングク急にごめんね。君と仲良くなりたくて

鈍そうな彼には回りくどいやり方は逆効果になるだろうから、直球で話す

｢ヒョン、まだ悩んでるんですか？｣

｢んー、なんかあっと驚くようなメッセージ送りたいんだけど思いつかない｣

｢普通でいいと思いますよ｣

ヒョンはそれでもうーうーと頭を捻る

今までは逆だった

僕らが何もしなくたって人が寄ってきた

けれど彼は違う

僕らに興味を持たず、店員と客という関係を崩さない距離感が初めは心地よかったが、彼の声を聞く度に彼の綺麗な瞳を見る度に彼の細い指が触れる度にもっと、もっと彼を知りたい、近くに行きたいと思ってしまうようになった

こんなにも僕を狂わせる