コンビニの店員はBTSを知らない (ページ6)

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自宅のドアを開けた。

返事なんて無いのを分かりながらもただいまと言う
案の定冷たい空気が肌に触れるだけだった

上着をハンガーに掛けて、部屋着に着替えると冷蔵庫を開けて缶の酒を1つ手に取る

プシュっと音を立てて飲み口から微かに泡が出る
ひと口飲むと少しだけ体温が上がり、そのまま二口めとどんどん喉に通すと気分は良くなっていった

この時間が俺の唯一の至福の時だ

ピロンとスマホがなった
画面を見るとカトクで新規の友達が追加された通知だ

「だれ？」

そう思いながらスマホを開いて確認するとジョングクと書かれている
ありきたりな名前だが俺の知り合いにはジョングクと言う名は居ない

そしてアイコンをタップする

「…っ！」

同時にメッセージが届いた

ジョングク追加したよー。誰か分かる?

俺は急いでヒョヌに電話をかけた

『お？お前から電話なんて珍しいなー』

「ヒョヌ！お前勝手に俺の連絡先教えただろ！」

『え？あぁー、どうしてもって言われたし、それに世界のBTSのジョングクに頼まれたら断れねーだろ』

「それでも勝手に教えるなんて非常識すぎる」

『ジョングクの連絡先知りたいやつなんて大勢いるんだぜ？いい機会だし仲良くなれよ』

「お前、次会った時覚えてろよ」

『悪い！すぐ忘れるわ！』

そう言って電話を切られた

「…はぁ」

返すべきか迷う
いったん画面を消してひと口酒を飲んだ

めんどくさいことになりそう

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「今日はAいないですよ」

たまたま個人的にコンビニに寄ると案の定、いた

「…君は？」

「Aと同期でここの店員のユン・ヒョヌです！」

「あの、Aってよくこの時間にいる若い店員の事ですか？」

あー、やべ。
俺今BTSのジョングクと話してる

「若い店員なら沢山いるけど、あなた達が想像してる人がAです」

そう言うと少し怪訝そうに見てくる
何故分かるのかって思ってそうだなぁ

「俺、監視カメラ担当なんでレジにはあまり出ないんっすよ」

「親しいんですか？」

キムテヒョンは俺の顔をじっと見て聞いた

「はい」

Aがいないのにここに留まっている理由
この後何を言われるのか何となく理解できた

「連絡先教えましょうか？」

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