怖いのは ページ36
.
ガタッ、と大きい物音が、カフェ中に響き渡った。
個室を選んで正解だった。
そもそもこんな話、あまり外で話したくなかったのもあるけど。
俺の胸ぐらを掴み、強く睨み付けるユンギヒョン。
木の椅子は、勢いよく倒れたまま。
俺は特に抵抗せず、目の前のヒョンの言葉を待つ。
YG「……はぁ、」
TH「…殴らないの?」
YG「殴られに来たのか?」
TH「そのつもりで来た…。ヒョンがそれで、気が晴れるなら」
YG「殴っても変わらねぇだろ。本当に俺との子だったとしても。
それに、お前も知らなかったんだろ。怒る必要も無い」
フッとヒョンの力が抜け、それと同様に俺も全身の力が抜けた。
ヒョンは倒れた椅子を元に戻し、ドサリと座った。
そして、両手で顔を覆い、こう言った。
YG「はぁー…、よかった……」
TH「…え?」
YG「日本にいるんだな?」
TH「う、うん…」
何が、良かったのだろう。
突然消えた彼女が、実は妊娠してましただなんて、俺だったら怖くてたまらない。
YG「…Aの方が怖かったに決まってんだろ」
だから、黙って日本に帰った。
そう言ったヒョンの目は、少し涙目になっていた。
YG「友人と言えるかも分からない奴に、ほぼ無理やりここに連れてこられ、環境も何もかも違うここで少しの間暮らすことになって。かと思えばこんな男に捕まり、初めてのことだっていっぱいあるのに着いてこようと必死」
少しづつ掴めてきた慣れ。
かと思えば、別の国、別の国の人との子供が出来てしまう。
そりゃ逃げ出したくもなる。
サポートしようと、手伝っているつもりだったのが、結局彼女に負担ばかりかけてしまった。
そう涙ぐみながら話すヒョンは、何かを決意したかのような顔つきに。
YG「…俺も懲りないからな…。こうなってまでも、彼女に甘えたいとか、どうかしてるんだろうな」
TH「…何言ってるの?」
YG「…あとちょっとだけ、わがまま言ってくる」
.
986人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ななな - ユンギとの子供…喜んで笑笑笑 (2022年10月12日 2時) (レス) @page36 id: 99a1458b51 (このIDを非表示/違反報告)
キム・カズ(プロフ) - みくさん» コメントありがとうございます!私もムフムフ言いながら想像して書いておりました…(灬・ω・灬)只今進展に悩んで降りまして、この小説を初めてもうすぐ1年が経つというのに…申し訳ないないです。ご覧に頂いている皆様の為にも足りない頭で頑張らせて頂きます! (2022年3月1日 0時) (レス) id: 2561bedadd (このIDを非表示/違反報告)
みく(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます〜!!!遅ればせながら、読ませていただきました♡黒スキニーに黒シャツ、黒カフェエプロンのゆんぎさん想像しただけでカッコいいです〜_:(´ཀ`」 ∠):続きがとても楽しみです♪ (2022年2月28日 6時) (レス) @page30 id: 23482d6195 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キム・カズ | 作成日時:2021年2月3日 2時