2ヶ月のスメラルド【YG】

何も ページ25

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結局あの日は、休みの日ということで2人でゆっくり1日を過ごした。
お昼ご飯は出前を頼んで、夕食は2人でヤンニョムチキンを作って食べた。


次の日は普通に平日で私は朝から、ユンギさんはお昼から講義があるという事で、会うのは夜のバイト。


大学が一緒だからもしかしたら会えるかもしれない。けどそう甘くはなくて、うちの大学は結構規模が大きくて校内も広い。





これは、会えないね…。





図書館の窓際でふとそう思う。


数ヶ月で会話は普通に出来るまで勉強はしたが、まだまだ分からない単語はある。

バイト先での会話で器具や料理の種類は勿論、材料や擬音系も分からず何度か聞き返した事があった。
先輩との会話だけでなく、ホールだからお客さんと話すのは当たり前。でも偶に世間話等をする時に、曖昧にしか返せない時がある。





後は方言だな…。





これはホント極偶にだけど、方言が強くて全く聞き取れなかった事があった。その時はお客さんの表情から読み取るに、質問ではなさそうだったからこれも曖昧にしか返せなかった。





そういえばユンギさんも少し訛っていたな。





どこの方言かは分からなかったが、話す時少しだけイントネーションの訛りがあった。ホントに軽くだったからなんとなくわかったけど…。





勉強はしておいた方が良さそうだ。





でもどこの方言かが分からない。それはユンギさんの出身地が分からないことも意味する訳で。

出身地だけじゃない。誕生日も、好きな食べ物も好きなブランドも。何も知らない。

でも私達は、一応御付き合いをしている…。
これで、いいのだろうか。


いや、言い訳がない。

私は彼の事を何も知らない。多分彼も同じ。私の事は何も全く知らない。誕生日だって教えた覚えはないし、好きな食べ物だって教えた事がない。





そんな私に、どうして彼は好きだと言ったのだろう。

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