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久しぶりに実家ではなく自宅に帰ってきた。
顔馴染みのコンシェルジュに挨拶すると、
“すれ違ってしまいましたね”と、
JN「え？？？」
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「先日までいらっしゃってましたよ。
懐かしの可愛いらしいお連れ様が」
JN「え！？Aさんが！？」
つい、大きな声が出た。
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「はい」
JN「あの…いつまで、」
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「ほんの3日前にお帰りになりました」
なんで言ってくれなかったんだ……
会えなくても、言ってほしかった……
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「お相手様とソクジン様はそっくりですね」
JN「え？」
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「あの方も私たちに
“お世話になってる”と
缶コーヒーを下さいました」
このアパートの一室を自分に買った時
改めて世話になるコンシェルジュの方たちに
安いと思いつつ缶コーヒーを買った。
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「しかもあなた様と同じメーカーでした」
味覚の嗜好は似ていた。
だから彼女が作る慣れないはずの
日本食も美味しく頂けた。
まさかこんな風に、知らないうちに
他人に晒すとは予想もしてなかったけど。
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「受け取れない、という返しも似てましたよ」
あ、そっか、コンシェルジュは
居住者に贔屓をしない為にも
そういうものは本来受け取れない
僕はなんて言ったっけ？？
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「“私は居住者ではなく、
キムソクジン の部屋の特別管理人”
そう言ってあの方は缶コーヒーを置いていきました」
JN「僕はなんて…？」
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「ただ、置いていく、と」
JN「全然似てないですよ」
ｺﾝｼｪﾙｼﾞｭ「いえ、このカウンターに
置く表情がとってもそっくりでした」
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作者名：くちびる | 作成日時：2020年4月17日 9時
