君と恋の途中.。BTS短編集*2 (ページ32)

今日:9 hit、昨日:13 hit、合計:328,640 hit

お隣さんの三原則*YG ページ32

無気力、無表情、無関心。

これが隣の彼の三原則。

＊

…気まずい。気まずすぎる。

長すぎる沈黙に耐えられず自分から声を出す。

「…そ、空が綺麗ですね」

「そうですね」

…早い！返事が早いよ！

会話は2秒で終了。秒殺だった。
早くも撃沈…。

事の発端は10分前。

私が住んでいるアパートは屋上があって出入りが可能。

そして今日は流星群が見れるだとかなんとかで暇つぶしに来てみようと思って外に出た。

…そして今に至る。

あろうことかそこには先客がいて
それがお隣の…第一印象が無愛想な人。

名前は確かミン…さんだった気がする。

この人も星とか見るんだ…と失礼ながらそう思った。
…別に話すこともないけど…なんとなく、居づらい。

家で普通にテレビでも見るんだったよー…

「…あ」

キランッと一瞬だったけど確かに、あれは

「流れ星…」

すごい、初めて見た。やっぱり外出てきて良かった！

「うわ早っ…！願いごと言ってる暇ないじゃん！」

興奮して思わず口に出してしまう。
傍から見たらイタイ人だろうな…

「…くくっ」

「…え」

少し離れた所から聞こえる笑い声。

「…独り言、多くないですか」

「…あ、えと、スイマセン！」

…恥ずかしい。

「…これも独り言、です」

それじゃあ、と帰ろうとする彼を

「、あの！」

どうして呼び止めてしまったのか

「…何か、願いごとないんですか？」

…なんてひどい質問を投げかけてしまったんだろう。

「…ないです」

やっぱり即答。

でもその時の彼の顏は少し微笑んでいて、

初めて見た無表情じゃない表情に少しだけ胸がドキンと鳴った気がした。

…少しだけ。