君と恋の途中.。BTS短編集*2 (ページ22)

今日:12 hit、昨日:13 hit、合計:328,643 hit

11 ページ22

「ちょっと待って」

逃げようとする彼女の腕を掴む

「…ジョングク君、どうしたんですか？偶然、ですね」

「…うん」

今でこそ笑顔な彼女だけど
いつもの笑顔じゃない。

…ほら、やっぱりいつの間にか見慣れてしまっていたんだ。俺は

「…聞いてたでしょ、さっきの話」

「…あー…はは、ごめんなさい、つい」

「あれは…」

「あの、ごめんなさい。今まで」

…え？

「迷惑でしたよね、ジョングク君の気持ちも知らずに毎回告白ばっかして…うっとおしかったですよね…あ、こんなのもめんどくさいか…すみません、」

「何言ってんの？」

「こ、これからは極力関わらないように致しますので！安心してください。一ファンに戻りますから」

何それ

今までの気持ちを全部否定したみたいに

そんなこと

「じゃあ、私これで」

「何か、誤解してない？」

「してませんよ…きっ…と！帰ります！」

「ちょっと！」

言葉が詰まる彼女は

きっと

「待ってってば」

反射的に後ろから抱きしめてしまう。

こうでもしないと、逃げるんだろう

「は、離してください」

「離したら逃げる」

「も、もしかして演技の練習とかですか？それなら私じゃなくて…」

「違う」

「…今は、アイドルじゃないジョングクだから。そういう俺を見てくれてたんじゃないの？」

ポタ、と制服の袖に滲みができた。