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「何か寒くなってきたなぁ」
「もう秋だからね」
「すぐ冬になっちゃうよ」
「確かに…冬は寒いから苦手だけど」
「んー、俺は結構好きかな、冬」
「へぇ…どうして？」
「…それはまた今度話そうかな〜」
「何それ！」
街灯の下を歩く私たち。
帰りは送ってく、なんて少女漫画のイケメンみたいなこと言えるんじゃない。
…もうこれ以上イケメンにならなくていいよ
心臓持たん。
「ねぇAちゃん」
「何？」
「恋ってどんな感じだと思う？」
…ド 直 球。
「…気づいたら、恋 なんじゃない？」
「気づいたら？気付くもんなの」
「…改めて考えると、好きだなぁって思うんだよ」
何言ってんだ自分。
恥ずかしい
「例えば良いことだけじゃない。たくさん考えるし胸が苦しくなるし痛くもなる。だけど…それでも楽しいと思う、恋って」
さも恋愛を長年してきましたみたいな言い方になっちゃったけど…
私だって分からない、何で本気になってるんだろうって。
絶対に振り向かせたいって、何でかそう思っちゃうんだ
…テヒョン君が相手だと
「…Aちゃんも、俺の事で悩んだりする？」
「…そりゃあ、するよ。たくさんする」
「苦しくなったり、痛くなったり」
「するよ、すごく」
「…ごめんね、俺がハッキリしないから」
やめてよ、そんなの
もう終わりみたいな、そんな言い方
「…私はね、テヒョン君にもそう思ってもらいたい」
「え？」
「テヒョン君が私のことで頭がいっぱいになったり、胸が苦しくなったり痛くなったりしたらいいなって思う。テヒョン君にとってそんな存在になりたいの」
「…そっか」
そう言うと、少し微笑んだ。
…伝わったかな、少しは
私の気持ち。
私はあと何回テヒョン君に告白すればいいんだか。
…でも苦じゃないよ
相手がテヒョン君なら
「…あ、私の家ここ」
「あ、うん。じゃあ」
「ありがとね…じゃあ」
彼に背を向けた。
「Aちゃん」
「…どうしたの？」
「…俺もね、思うよ。胸が苦しくなったり痛くなったり、考えちゃう相手がAちゃんだったらいいなって」
伸びた前髪が風に揺れる。
大好きな私の笑顔で、そう言った。
「また、明日ね！」
手を振ってだんだん背中が小さくなるのを
ボーっと見つめていた。
何、何あれ
「……何なのよー…」
ずっと私の心を掴んで離さないじゃないか、テヒョン君は。
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作者名：夜宮 | 作成日時：2015年10月6日 0時
