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それから俺は仕事が忙しくなって
学校に行くこともなくなり、必然的にあの変人と会うことはなかった。
あいつ俺がいないと学校で何してんのかな、
まあ普通に携帯いじってそうだけど
「ジョングクHappybirthday！！」
「…んえ」
パーンとクラッカーの盛大な音と共に俺の回想はかき消される。
「ちょっとちょっとー！もっと良い反応してよー」
ジミニヒョンとテヒョニヒョンからのクレームも頭に入ってこず、
…ん？ハッピーバースデー、って
「今日9月1日！youの誕生日でしょうが！」
びしっと決めるテヒョニヒョン。
いやyouって…。
そうか、今日俺の誕生日か。
すっかり忘れてた…
「ジョングク何が欲しい？」
「ヒョンが何か買ってあげなくもないぞ」
「ジョングクだから無地Tだろ」
「言ったな、ジミンが無地T50枚買ってくれるって！」
「ちょ！話を進めるなー！」
ワイワイと騒がしい練習室。
…何だかんだ言ってメンバーの皆は優しい
「おいそろそろ時間だから閉めるぞ」
「はーい」
帰ろう、と外に出た時だった。
「…あ」
「……え、」
一瞬、誰かと思ったけど
いつも結んでいる髪を下して普段着で入口の前にいたのは
「…A、さん」
「…あ！えと、決して待ち伏せしてた変なファンとかじゃなく！渡したいものが、ありまして」
「…渡したいもの？」
がさごそとバッグの中を漁ると
「これ！ジョングク君に」
「え…」
「どうしても直接渡したくて…気持ち悪いとか思ったかもしれないけど、そ、それだけでした」
へへへ、と笑っている彼女
「今日…誕生日って聞いたから。おめでとうございます、ジョングク君」
「…ありがとう」
「いえ！それでは」
「あ、ちょっ…」
そんな声も届かず彼女はさっさと行ってしまった。
なんだ、あれ…。
ていうか今夜の10時だし、一体いつまで待ってたんだ。
「ジョングク？今の子ファン？」
「…いや……、隣の変人です」
「ああ、噂の…普通に可愛い子だったじゃん。良かったねぇ」
…可愛い子、って
テヒョニヒョンから見てもそう思うんだから、そうなんだろう。
なんだよ
オタクだし、初日で告白してくる常識知らずな奴だし
でも実は頭良いし、俺たちのためにお金はかけるし
さっきも…こんな遅くまで俺の事待ってるし
「…意味分かんねえ」
いつの間にかあいつのこと考えてる自分が一番。
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作者名：夜宮 | 作成日時：2015年10月6日 0時
