君と恋の途中.。BTS短編集*2 (ページ1)

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恋を誘ってTH　(好きの基準anotherstory) ページ1

『Aちゃんが、教えて』

…いいよって言ってしまった私は、どこかで少し期待していた。

＊

「ここはこの公式を使って～…」

聞こえるのは先生の声と規則正しい寝息。

「…ぐー……」

…いや、今授業中だし。

「ぐー……」

一番前の席なんだけど。

「こらキムテヒョン！」

…やっぱり怒られた。

「いでっ！」

パコーンッと教科書で叩かれるこの男。

「痛いよせんせー！」

「じゃあ起きろ」

「暴力反対！」

…キムテヒョン君は、私の隣の席であり少々バカであり、好きな人。

「うー…Aちゃんも起こしてくれれば良かったのに」

いや、私に振るな。

「あまりにも気持ちよさそうに寝てるからさ」

「あー、見惚れちゃった？なーんて」

…あながち間違ってはいないけれど。

テヒョン君に告白して数週間が経ち

特に前と変わらない生活を送っている私たち。

結局テヒョン君が私の事をどう思ってるのか分からないまま

私のテヒョン君への想いは日に日に増してる一方で

たまに起こす奇行も、子供みたいな笑顔も

…もう全部、好きなのに

なんでか、こう…この人には伝わらないんだなぁ。

「…いや何してんの」

「できた！これAちゃん」

ノートの端に描いてある謎の物体。

「えー、これ私！？」

「似てない？自信作～」

「似てないよ、絵心ないなぁ」

「えぇ、じゃあAちゃんが描いてよ」

…でも、前よりもっと話すようになって

少しは仲よくなれてる気がするから

…まだいいかな。