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「先生、1日何時間お仕事してるんですか」
『日によるな』
「先生の書いた本読んでみたいです」
『本？ああ。お前が読めるような内容じゃないからやめとけ』
「どういう意味ですか？」
『そのまんまだよ。だからあの部屋入るなよ』
目線を下に外して笑う先生はもう食べ終わっているのにテーブルに肘をついて私が食べ終わるのを待ってくれている様だった。
「私食べるの遅いんでお仕事戻ってくださって大丈夫ですよ」
『もう今日は仕事はしないしお前のこと待ってるわけじゃない』
「そうですか、、、」
そんなやり取りをしているうちに食べ終えた私は食器を下げ洗い終えてから
居間に戻ると先生は縁側に胡坐をかきガラスの引き戸越しに外を見つめていた。
「タバコ吸わないんですか？」
『これ開けないと吸わねえよ』
コンコンっとガラスを優しく叩く先生
「開けたらいいじゃないですか」
『外見てみ』
透明のガラスでできた引き戸の外を見るといつの間にか雨が降ってきたようだった。
「桜、散っちゃいますね。」
『そうだな』
「春の雨ですね」
『お前季語なんて知ってるの』
「え、季語？春の雨って季語なんですか？」
『知らないで言ったのかおまえ』
また視線を外して笑う先生につられて笑うと先生はあきれたような顔をした。
『でも3月前半の季語だから今は使えないな』
「じゃあ私の誕生季語ですね」
『なんだよ誕生季語って』
「誕生花とかあるじゃないですか。私3月3日生まれなのでぴったりです」
『なんだよそれ笑』
「先生、季語に詳しいなんてさすが作家さんですね」
『別に詳しくない』
「他にも知りたいです」
『もう知らん。あ〜ほら雨ひどくなる前に帰れ』
「あ、本当だもう9時、、、私こんなんでお給料いただいていいんですか」
今日を振り返るとなんだ申し訳なくなってしまい先生に問いかける
『雇ってんのはこっちなんだからそんなこと気にするな。それにお前は十分やってくれたよ今日』
そう言ってぽんと私の頭に先生が手を乗せてきてどきっとしてしまい誤魔化すようにお辞儀をして玄関へ向かった。
玄関まで行くと先生は傘立てにあるビニール傘を持たせてくれた
『次来るとき持ってくればいいから』
「ありがとうございます。鍵、かけてくださいね」
『面倒くさい』
「かけるまで見てます」
『おう、ずっとそこにいろ』
「、、帰ります」
『気をつけろよ』
外に出ると雨につられて散った桜が地面を埋めていた。
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ちなくら(プロフ) - 心の支えの小説です！何があってもけさないでください！！ (2018年11月26日 21時) (
レス) id: ac1830d9c4 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - やまももさん» 楽しく読んでいただけて嬉しいです(TT)ありがとうございます。 (2018年6月15日 22時) (レス) id: b7889600a9 (このIDを非表示/違反報告)
やまもも - ゆんぎ先生優しい素敵。わたしも雇用されたくなりながら、楽しく読んでます。JK氏もいい活躍ですね！ (2018年6月15日 1時) (レス) id: fd963ebaa1 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - ゆんさん» 嬉しいお言葉ありがとうございます(;o;)！ (2018年6月13日 18時) (レス) id: b7889600a9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 更新楽しみにしてます(^^) (2018年6月13日 1時) (レス) id: b74c5fbd95 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白 | 作成日時：2018年6月8日 14時
