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「こっちに来て、Aちゃんも食べようよ」
手招きをされて少しだけ距離をあけて隣に座る。
目の前には冷えたスイカ。
「久しぶりだね」
のんびりと首を振る扇風機の風がジミンの柔らかそうな黒髪を揺らす。
『…そ、だね』
「元気にしてた？」
『うん、そこそこ。…ジミンは？』
「俺もそこそこ」
一人称が"俺"であることの違和感。
同時に、それほど彼と離れていた期間が長かったことを実感するような気がした。
『…まだ、ここに住んでたんだね』
「いや、中学卒業してからは俺も町から出てるよ」
『そうなの？』
「うん。毎年夏は遊びに来てるんだ。Aちゃんは、いつまでこっちに居るの？」
『明後日の夕方に帰る予定だよ』
「明後日？随分短いね」
『うん。3日以上は休みがとれなくて』
あの頃は親の仕事の都合なんか当然理解なんて出来なかったけど、夏場の仕事は確かに忙しい。
大人にならなくちゃ大人の都合なんか分かりもしなかった。
『ジミンは、こっちにどれくらい居るの？』
「一昨日から戻ってきてるけど、あと半月くらい」
『半月？長いね』
「上司に無理言って頼んだんだ。全部有給使ってね」
前歯でスイカを削るとシャクッとみずみずしい良い音がする。
『有給をわざわざ使ったの？』
「うん。去年もそうだよ。
夏まで有給とっておいて、全部使うようにしてる」
『…何で？』
「……」
ジミンは私の質問に直ぐに答えることなく、残りのスイカを口に詰めた。
説明を求める私の瞳と、何を考えているか分からないジミンの瞳がぶつかる。
私の目を見つめながら口の端から漏れそうになった水分を親指で拭うジミンに、自分の心臓は絶えず鳴り続けた。
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リンゴ酢(プロフ) - ほんっっとにこの作品大好きです😭🫶🏻💕ずっと読んでいたいぐらい文章が素敵で感動でしかないです....💞130号室さんの作品大好きです！これからも楽しみにしています🙇🏻♀️💕 (11月9日 0時) (
レス) @page46 id: 5c0db9e802 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - mmne08171さん» mmne様読んでいただきありがとうございます😢✨ジミン帰ってきてくれーー😭あと数話ですが最後までお付き合いどうかよろしくお願いします💖 (2022年10月22日 21時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
mmne08171(プロフ) - ジミン…どこ行っちゃったのー泣 すごく引き込まれました✨何とも言えない感情です🥲 (2022年10月22日 11時) (レス) @page40 id: 71162c9e08 (このIDを非表示/違反報告)
130号室(プロフ) - Suzyさん» Suzy様読んでくださりありがとうございます✨大事に大事にと作ってるお話なのでそう言っていただけて嬉しいです😢💖最後までどうかお付き合いよろしくお願いします💐 (2022年10月15日 23時) (レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
Suzy(プロフ) - 切ない···涙出ました。情景が···すごく好きです🌿🥲めちゃくちゃ楽しみです✨🥲🍀 (2022年10月15日 2時) (レス) id: f57ab1c531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：130号室
| 作成日時：2022年10月1日 0時
