-25-番外編 ページ26
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『あ…もう行かないと。
ユンギも用事あったんだよね、引き止めてごめん』
YG「ああ…」
『それじゃあ…』
YG「………うん」
Aに背を向けて歩き出そうとすると、ユンギ、と声がする。
『あのさ、…いつか、ユンギのライブに行ってもいいかな？』
少しだけ俺の顔色を伺うように聞く。
俺の作った曲は全て、Aのことを考えて作った曲なんだよ。
お前に聞いて欲しくて…お前のことだけを考えて、だから今も…。
YG「…もちろん、いつでも来いよ」
『…うんっ、いつか行くね。
あ、それからね』
YG「ん？」
『あの飴、新作出たの知ってる？』
YG「……知らない」
『トマト味！美味しいから食べてみてっ』
YG「…ああ」
Aは手を振りながら俺と反対の方向へ歩いていく。
左手の薬指に光る物を見て思わず顔を歪めそうになるけど、歯を食いしばって同じように手を振り返した。
「あーー！ユンギヒョン遅いよー！」
YG「ん、わりい」
テヒョンは俺の顔を見てから少しだけ首を傾げた。
TH「ユンギヒョンのその顔久々に見た」
YG「は？何が」
TH「彼女さんと別れたって言った時と同じ顔としてるよ」
YG「……そっか」
ポケットに入ってる棒付きキャンディを取り出して舐める。
…久々に、しんどいな。
言えるわけねーのに。
言っても意味ねーのに。
まだ、お前の事が好きだ、なんて。
思っちゃったんだよ。
YG「あーこの飴、微妙に不味い」
TH「それ、何味？」
YG「トマト味」
TH「えー不味そう」
YG「…ん、微妙に不味い」
TH「えーじゃあ何で食べてんの？」
YG「…ははっ、何でだろうな」
自分で辛い道を選んでしまったけど。
後悔してないと言ったら嘘になるけど。
… Aが幸せそうで良かった。
トマト味、ね。
微妙に不味いのに……俺はきっと、また買ってしまうんだろうな…。
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130号室(プロフ) - 夜ふかしさん» 夜ふかし様ありがとうございます！楽しんでいただけるように頑張りますね♪ (2021年8月4日 13時) (
レス) id: e48cc29190 (このIDを非表示/違反報告)
夜ふかし - 面白くて続きが気になります!これからも更新頑張ってください! (2021年8月1日 2時) (レス) id: 6551a6decb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：130号室
| 作成日時：2021年8月1日 0時
